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ホテル従業員の未払残業代請求事件

40代 男性
この事例の依頼主 40代 男性

相談前の状況 クライアントはホテルで長時間働いていたにもかかわらず、残業代が支払われていませんでした。

会社を退職した後に、勤務していたホテルに対して、未払残業代請求ができないかということでご相談にこられました。

クライアントの給料明細を見ると、職務手当として定額で19万円が支払わていました。

他方で、基本給は14万円と、低く設定されていました。

クライアントの労働条件通知書をみると、職務手当は45時間分の時間外勤務手当を含むと記載されていました。

相手方からは、職務手当として、45時間分の残業代を支払済であると主張されることが予想されました。

解決への流れ 相手方の賃金規定をみると、職務手当は、時間外労働に対する残業代以外にも,クライアントの能力給,職務給,年功序列的な賃金の要素が渾然一体となっているものでした。

このような固定残業代が有効になるためには、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できなければならないところ、職務手当には、時間外労働の部分と通常の労働時間の部分とが判別できていないので、職務手当は固定残業代として無効になると判断しました。

そこで、職務手当は残業代の支払として無効であるので、職務手当を残業代計算の基礎賃金に含めて、未払残業代を計算して、労働審判を申し立てました。

徳田 隆裕 弁護士 徳田 隆裕 弁護士からのコメント 労働審判では、裁判所は、職務手当は固定残業代として無効との心証を開示してくれました。

他方で、クライアントは、相手方に対して、旅費の未精算部分を返還しなければならなかったので、未払残業代と相殺して、相手方から解決金を支払ってもらうことで調停が成立しました。

固定残業代の事件では、就業規則、賃金規定、労働条件通知書などを詳細に検討して、通常の労働時間の賃金にあたる部分と、割増賃金にあたる部分を判別できるか、固定残業代が時間外労働の対価として支払われているかを検討することが重要になります。

本件のように、職務手当が基本給とは別に支払われていても、職務手当の中に、残業代以外の部分が混在している場合には、判別ができていないとして、固定残業代が無効になることがあるのです。

固定残業代については、近年、重要な最高裁判例がでていますので、労働事件に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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