福田 大祐 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
カトリック系の学校で社会奉仕の精神を教えられてきたので、なんらかの形で社会において意義のある、役立つ仕事をしたいという志向は昔から漠然とありました。
学生の頃は、法学部に席を置き法律に接することも少なくはありませんでした。そして、あるとき読んだ弁護士の著作の中に「弁護士という職業は自分の正義感・信念を貫くことと生活の安定を両立できる仕事だ」という趣旨の記載があり、 非常に強い印象を受けました。
自分は聖人君子でないので正義のために全てを擲つ覚悟はもてませんが、社会正義を追求しつつ自分の生活もできるなら弁護士はすごくいい仕事ではないか、と思いました。思い返せばそれがスタートかもしれません。
その当時は、ハンセン病患者に関する問題も取り上げられており、社会的弱者の味方として活動をすることのできる弁護士という職業は、学生である私には社会正義を貫くことのできる魅力的な職業でありました。
また、弁護士であれば自分自身の中にある社会正義という観念に対して、納得のいかないような理不尽さは、社会に出て企業で働かれている方よりは少ないのではないかという部分も、少なからず影響していることだとも思います。
弁護士になって大変だと感じること
弁護士は代理人として、依頼者と違う視点から最も依頼者の利益になるようアドバイスをするわけですが、そのアドバイスを理解してもらえないことが往々にしてあります。今後の解決案に関して、どうしてその選択が最善といえるのかを言葉を尽くして依頼者に説明し、納得してもらうことが最も大変で、かつ最も神経を使います。
依頼者は問題を抱えて、弁護士に相談を持ち込んできます。そういった場合は、依頼者の怒りや憤りが覚めやらぬまま、相手方をやっつけたいという気持ちや、被害に対しての過度な思い込みを待たれている方もいます。そういった場合に、まずは話を親身になって聞き、情報収集に努めながら依頼者の方の置かれている状況を第三者的に、冷静に判断していきます。
ここで説明を尽くさないと、依頼者の方からキチンと仕事をしていない、相手方への攻め方が弱いと誤解されてしまうおそれがあります。依頼者の方との、コミュニケーションの取り方には細心の注意を払い丹念に案件に取り組んでいます。
仕事をする上で意識していること
社会に関心を持つことです。弁護士以外の仕事をしたことがありませんので、自分の考え方が世間の常識とズレてないかは常に気になります。また、法律問題の相談であっても、背景にある社会問題を理解しないと有用なアドバイスができない場合もあります。
こういった時に、依頼者の利益を最優先にとして解決策を講じるためにも、日頃から意識して世の中のあり方・動向に関心を持っておく必要があるといえます。いくら持ち込まれてきた、問題の解決方法が法律上に存在していても、依頼者の置かれている環境では意味をなさないことがあります。
依頼者の生活する環境下で通用している認識や常識をあらかじめ知っておくことは、案件を解決に導くための近道となると考えています。そのためには、日頃から弁護士同士、同業者同士で過ごすのではなく、違う業種や環境に身を置く人たちと親交を深め、交わり仲良くすることで得る日々の情報は、その場では大きな意味を持たなくとも、その後の案件で大きなヒントとなるのではないかと考えています。常に、新しいことや情報にアンテナを張り巡らすことは、弁護士として仕事をしていく上で大切なことです。
関心のある分野
障害者の権利擁護は以前から関心を持ち、積極的に関わってきたつもりですし、これからもできる限り関わりたいと考えています。私には障害を抱える姉がおり、生まれたときから障害のある人間のそばで、彼らの生の声を身近に聞く機会が多くありました。そのこともあり、個人的に弁護士として障害者の社会における権利擁護の力になりたいと考えて活動してきました。
当事者である障害のある方の思いを皮膚感覚で理解することのできる自分の立場を最大限に生かして、今後も精力的に活動していきたいと考えています。