丁寧なコミュニケーションが信条〜依頼者の不安に寄り添い、最善の解決につながる道をともに進む
法律が好き、人と話すことが好き
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
父が法律関係の仕事をしていたので、もともと法律には興味がありました。何となく「面白そうだな」と思って法学部に進み、実際に法律を学び始めたら想像以上に興味深くて。理屈っぽく考えることが好きだったので、性格的に法律との相性がよかったのだと思います。
法律をもっと勉強したいと思って法科大学院に進み、結果として今、弁護士の仕事をしています。
「子どもの頃弁護士に助けられて…」というようなエピソードをお話しできればいいのですが、特に大きなきっかけはなく、法律が好きだったから自然とこの道に進んだというのが正直なところです。
法曹三者の中で弁護士を選んだのは、裁判官や検察官に比べて仕事の幅が広いからです。また、人と話すことが好きなので、生活上の法律トラブルに悩んでいる個人の方や、ビジネスの問題を抱えている経営者の方など、様々な方と接することができるのも弁護士の魅力だと思いました。
ーー学生時代はどのように過ごしていましたか。
大学時代はほとんど司法試験の勉強をしていて、特にサークル活動などはしていませんでした。当時の思い出を1つ挙げるとすると、1年生のときに大学のプログラムで行った短期留学は印象に残っていますね。
イギリスに2か月間滞在したのですが、「地域によってこんなに貧富の差があるのか」と衝撃を受けました。一本道路を隔てただけで治安がガラッと変わったり、バスの路線の中にも「危ないから乗らない方がいい」と言われる路線があったりと、現地に行ったからこそ知ることができた事実が色々ありました。
他の国からも留学生が来ていて、彼らと話をする中で、同じ物事でもバックグラウンドが違えば見え方や考え方が異なることも実感しました。日本にいたら気づけなかった学びが多くあり、短い期間でしたが、貴重な経験ができたと思います。
依頼者の真意を汲み取り、最善の解決方法を見極める
ーーどのような分野の案件を扱っていますか。
特定の分野に特化せず、地域の方からの相談を幅広く承っています。離婚や交通事故、個人事業主の方からの相談が多く、中でも離婚の相談が一番多く寄せられます。
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
1つは、依頼者の発言の意図を探ることです。言葉をそのまま受け取るのではなく、「こういう表現をすることで、この方は何を実現したいと思っているのだろう」と真意を読み取ることはかなり意識しています。また、依頼者が実現したいことと併せて、「一番避けたい状態」も聞くようにしています。
依頼者の意向を丁寧にヒアリングした上で、問題解決のために取りうる手段と、それぞれの手段で進める場合にかかる費用と時間の見積もりを提示します。そして、依頼者にとっての「最悪の結果」を回避し、できる限り「理想的な状態」に近づくためにはどの手段が最適なのかを一緒に考えていきます。
私は、裁判など法的手段を用いることが唯一の紛争解決手段だとは考えていません。
たとえば、依頼者の中には、紛争に対する抵抗感が強い方や、精神的ストレスの耐性が低い方もいます。そのような方に「絶対に裁判をした方がいいですよ」と勧めることは必ずしも得策とは言えません。裁判を起こせば、数か月、長ければ数年の間、紛争状態に身を置くことになります。強固な証拠があり、勝訴する可能性が高いとしても、裁判がその方の負担になってしまうのであれば問題解決の方法としてベストとは言えないと思うのです。
裁判ではなく話合いで穏便に解決をはかることがいい場合もあれば、弁護士が表に出ない方がいい場合、弁護士以外の専門家が介入する方がいい場合もあります。事案の内容や、依頼者1人ひとりの意向、その方の性格などを踏まえて、ベストな解決方法を見極めるようにしています。
小さな違和感を見逃さず、適切にフォロー
ーー依頼者1人ひとりのことをよく見て、きめ細やかなサポートをされているのですね。
そうですね。依頼者が求めていることを理解して、それを叶えるために、できるだけ柔軟にフォローしたいと思っています。
もう1つ意識しているのは、依頼者が話す内容や話しぶりに注意を向けて、ちょっとした違和感を見逃さないことです。「何だか歯切れが悪いな」「前回話していたこととずれが生じているな」と小さな引っかかりを感じたら、「不安に思っていることはありますか」などと質問したりして、違和感の正体を掘り下げるようにしています。
掘り下げる中で、依頼者の胸の内が少しずつ明らかになっていきます。実際に、相続事件の依頼者が、「妻と子どもから、『お父さんがしっかりしてないから親戚に色々言われるんだよ』と責められて辛いんです…。当初の希望が叶わなくてもいいので、早く終わらせたい」と打ち明けてくれたこともありました。
違和感の正体が分かれば、解消するためのフォローができます。「ご家族の理解を得られるように、私から説明をしましょうか」「奥様やお子さんの意見を踏まえて、今後の進め方を修正してもいいかもしれません」といった提案をして、依頼者が抱えている不安やプレッシャーを軽くするための対応をしていきます。
解決までの過程において、依頼者は、相手方との関係に悩むこともあれば、家族など周囲の人からのプレッシャーに苦しむこともあります。依頼者が辛い状況に直面したとき、不安を受け止めて、困難を乗り越えるための助けとなるのも弁護士の役割です。単に法的な手続きを代理するだけではなく、心のケアも含めてトータルでサポートしたいと思っています。
困ったり、心が疲れたりしたときに、ふと思い出してもらえる存在になりたい
ーー今後の展望を教えてください。
私は弁護士なので、依頼者に対しては法律家として関わるわけですが、そこにコンサルタント的な要素もプラスした関わり方ができればと思っています。
先ほども話したとおり、依頼者の悩みを解決するための方法として、必ずしも裁判など法律に則ったやり方が最善とは限りません。できるだけ選択肢を広げて、依頼者が求めていることを実現するためのベストな方法を一緒に考え、対処するパートナーでありたいです。また、依頼者が自分の意見を表現しやすくなるようにサポートしたり、気持ちを言語化するお手伝いができればとも思っています。
ただ売上げを追っていくだけの仕事はしたくないんです。多くの案件を手がけるよりも、1人ひとりに丁寧に対応できる範囲で、質の高い仕事をしていきたい。その結果として、依頼者が困ったり心が疲れたりしたときに、ふと「先生に相談してみようかな」と思い浮かべてもらえる存在になれたらありがたいですね。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いいたします。
1人で抱え込んでも、問題は解決しません。とにかく誰かに相談してくださいと伝えたいです。
相談相手は、必ずしも弁護士でなくてもいいと思います。家族や友人など、身近に信頼できる方がいれば、ぜひその方と話してみてください。人と話すことで自分の考えを整理できますし、解決のためのヒントが見つかる可能性もあります。
身近な方に相談しにくい場合や、弁護士のアドバイスも聞いてみたいと思う方は、いつでも気軽に弁護士事務所にアクセスしてもらえればと思います。
相談を受ける際に私が大切にしているのは、依頼者が安心して相談できる環境づくりです。十分に時間をとって丁寧にお聞きしますので、どのようなことも安心してお話しください。