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「18歳成人」ねらう悪質業者 「被害防止の緊急施策を」日弁連が政府に要求
会長声明の公表に先立ち記者会見があった(2022年3月30日)

「18歳成人」ねらう悪質業者 「被害防止の緊急施策を」日弁連が政府に要求

成人年齢が18歳になったことで、若者の消費者被害が増える恐れがあるとして、日弁連(小林元治会長)は4月1日、被害を防止する緊急施策の実現を求める会長声明を発表した。

これまで20歳未満については、保護者など法定代理人の同意がない契約は取り消すことができた。しかし、4月からの成人年齢引き下げで18歳、19歳は対象外になった。判断能力が十分でないことで、悪質業者にねらわれる恐れがある。

こうした懸念は2018年の法改正時から指摘されており、参院法務委員会では必要な措置を講ずるとの全会一致の附帯決議がなされた。

しかし、日弁連は施行まで4年近くあったのに、十分な施策が実現されていないと指摘。早急に実効性のある施策の実現することを求めている。

●AVに限った問題ではない

未成年取り消しをめぐっては、アダルトビデオ(AV)出演に関する被害が増えるのではないかと国会で議論されている。超党派の議員で対策が検討されており、ニュースになることも多い。

AVだけが問題のように見えがちだが、平澤慎一弁護士(日弁連消費者問題対策委員会)は、「未成年取り消し権の問題はAVに限った話ではなく、全般的に対処が必要」と強調する。

「若い人では、特にマルチ商法やキャッチ商法などの被害が多い。いろんな場面で、判断力が十分でないことにつけ込まれてしまう恐れがあることが問題だと考えている」

また、同委員会の中村新造弁護士は、次のように注意を呼び掛けた。

「だまされない前提で過ごすのは危ない。困ったら相談してほしい。相談することこそが『大人』なんだということ。お金を借りるときは特別に慎重に行動してほしい」

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