契約社員の同僚エンジニア(50歳の手前)が契約期間満了でお別れになったのは、職場で「にゃーん」とつぶやいて、周りをいらだたせていたからーー。こんな驚きのツイートが話題になった。
ツイートによると、本当にうるさいくらい「にゃんにゃん」言っていて、周囲が何度注意しても、癖になって止められなかったそうだ。
職場でみんなが嫌がるくらい「にゃーん」とつぶやいてしまうことを理由に、契約期間満了としてしまっても問題ないのだろうか。あまりにひどければ、契約途中で打ち切りにすることも可能なのか。大西敦弁護士に聞いた。
●契約期間満了なら問題ないが…
まず、契約社員とは法的にどのような位置付けなのか。
「契約社員とは、企業等と期間の定めのある労働契約(有期労働契約)を結んで職務に従事する労働者のことをいいます。有期労働契約ということになりますので、明示ないしは黙示の更新がなされない限り、期間満了によって労働契約は終了します。
ですから、今回の件で『にゃーん』とつぶやいてしまうことを理由に、契約期間満了となることは特段問題にはなりません」
では、もし契約途中で打ち切りにすることは可能なのか。
「これは有期労働契約期間中における解雇の問題です。労働契約法17条1項は、使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない、と定めています。
この『やむを得ない事由』は、期間満了を待たずに直ちに契約を終了せざるを得ない特別な事由を意味するとされており、期間の定めのない労働契約(いわゆる正社員)における解雇に必要とされる『客観的に合理的で、社会通念上相当と認められる理由』(同法16条)よりも厳格に判断されます。
つまり、有期労働契約は、解雇が認められるためのハードルが高いということになります。今回の事例では、その発言が周囲の従業員が行う業務にどれほどの影響を与えるのかにもよるところですが、『にゃーん』という発言のみをもって、契約期間中の解雇を行うのは難しいように思います」