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スルガ銀行、モンテローザ、財務省など…ブラック企業大賞「ノミネート企業」発表
会見の様子

スルガ銀行、モンテローザ、財務省など…ブラック企業大賞「ノミネート企業」発表

弁護士やジャーナリストらでつくる「ブラック企業大賞」実行委員会は12月5日、今年の同賞ノミネート企業を発表した。ノミネートされたのは、ジャパンビジネスラボ、財務省、三菱電機、日立製作所・日立プラントサービス、ジャパンビバレッジ東京、野村不動産、スルガ銀行、ゴンチャロフ製菓、モンテローザ。

今年で7回目となるブラック企業大賞は、長時間労働やパワハラなどを従業員に強いる悪質な企業や法人などを選出している。昨年の大賞は、男性社員を不当にシュレッダー係に配転したり、懲戒解雇するなどした引越社・引越社関東・引越社関西(アリさんマークの引越社)が選ばれている。授賞式は12月23日に開かれる予定。

テレビ朝日の女性記者に対して、事務次官がセクハラ行為を繰り返したとして、民間企業でない財務省が特別ノミネートされた。官公庁の中では、2014年に東京都議会がノミネートされているが、実行委の佐々木亮弁護士は会見で「セクハラという観点からは、今の世の中のひどさを示す事例だ」と話した。

実行委が挙げたノミネート理由の要約は、以下の通り。

・ジャパンビジネスラボ

都内で語学学校を運営する企業。出産した正社員の女性を短期契約の契約社員などに転換させ、契約期限を待って雇い止めにする解雇をおこなった。

(編集部追記・2020年5月1日)
東京地裁は2018年9月、元女性社員の正社員の地位は認めなかったが、契約社員としての地位は認めた。東京高裁は2019年11月、一転して、雇い止めは有効としたうえで、提訴時に女性が開いた記者会見が名誉毀損にあたるとして、損害賠償を命じる判決を言い渡した。ブラック企業大賞実行委員会は、高裁判決を踏まえて、ホームページ上でノミネート理由を非掲載としている。

(編集部追記・2020年12月10日)
最高裁第三小法廷が12月8日付で女性側の上告を退ける決定をしたため、会社側勝訴の二審・東京高裁判決が確定した。

・財務省

今年4月当時、事務次官がテレビ朝日の女性記者に対して、取材中に性的な言動を繰り返していたと報道。その後、財務省は、事務次官によるセクハラがあったと発表した。

・三菱電機

家電から発電機まで製造するメーカー。男性社員5人が、長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症して、2014〜17年に相次いで労災認定されていた。

・日立製作所、日立プラントサービス

2013年に新卒入社した20代の社員が、日立プラントサービスに出向中、精神疾患によって労災認定された。

・ジャパンビバレッジ東京

サントリー食品インターナショナルグループ傘下。2017年末に足立労働基準監督署から「事業所外みなし労働時間制度」の違法適用を指導されて、違法な長時間残業があったと是正勧告を受けた。

・野村不動産

不動産業界大手。2016年9月、50代の男性社員が過労自殺していたことが今年3月発覚した。

・スルガ銀行

静岡県沼津市に本店を置く地方銀行。過大なノルマを押し付ける一方、達成できない人に対しては壮絶なパワハラをおこなっていたことが発覚した。

・ゴンチャロフ

洋菓子の製造販売・喫茶経営を手がけている。2016年6月、工場に勤務していた当時20歳の男性が電車に飛び込んで自殺した。長時間労働と上司によるパワハラとして、今年6月、西宮労働基準監督署に労災認定された。

・モンテローザ

白木屋、魚民、笑笑など、居酒屋チェーンを展開する外食企業。「わらわら九大学研都市駅店」の店長が開店準備中に倒れて亡くなった。亡くなるまで3カ月間の時間外労働が、月80時間をおおむね達しているとして、今年8月、労災認定された。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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