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職場の「ランチミーティング」が半強制参加で苦痛…休憩時間を別にとれないの?
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職場の「ランチミーティング」が半強制参加で苦痛…休憩時間を別にとれないの?

忙しい職場でよくある「ランチミーティング」は休憩といえるのでしょうか。インターネットのQ&Aサイトにも、疑問の声が散見されます。

ある投稿によると、投稿者が派遣社員として勤務している会社では、よく昼休みにランチミーティングが開かれるそうです。お弁当は無料で支給されるものの、時給は出ません。また、その時間以外に休憩が設けられるわけでもないので、投稿者としては休憩時間がないと感じているそうです。

ランチミーティングに必ず出なくてはならないという決まりはないものの、「どうしても参加できない人のみ連絡」となっており、出席は半強制状態だといいます。ランチミーティングも休憩時間になってしまうのでしょうか。また、このような場合、時給を請求できないのでしょうか。金井英人弁護士に聞きました。

●ランチミーティングも休憩時間になるの?

「ランチミーティングが休憩時間にあたるかどうかを考えます。そもそも休憩時間とは、労働時間の途中に与えられるもので、休息のために労働から完全に解放され、自由に利用できる時間のことをいいます。食事をしていればそれは休憩、というわけではありません。

今回のケースで言えば、ランチミーティングが業務に関する内容のミーティングであれば、労働から解放されているとはいえません。休憩時間ではなく、労働時間になります。また、業務に関係なくとも半強制参加のミーティングの場合、休憩時間を自由に利用できないという観点から、労働時間にあたるとされる可能性もあるでしょう。

労働基準法では、使用者は労働者に、労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩時間を与えなければならないと定めています。

したがって、今回のケースでも、法律上は、6時間を超える勤務であればランチミーティングとは別に、法定通りの休憩時間を請求できます」

●ランチミーティングの時給は発生する?

「業務に関するランチミーティングであれば、労働時間にあたると考えられ、その時間についても時給を請求できます。

給料はお金(通貨)で支払うのが原則ですので、お弁当が無料支給されるからといって、それが給料の代わりということにもならないのです。

みんなで昼食会というのも懇親のためには有意義ですが、休憩時間については法律で規制されていますので、その時間がちゃんと労働者の休息の時間になっているか、配慮が必要です」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

金井 英人
金井 英人(かない ひでひと)弁護士 弁護士法人名古屋法律事務所 みどり事務所
愛知県弁護士会所属。労働事件、家事事件、刑事事件など幅広く事件を扱う。現在はブラックバイト対策弁護団あいちに所属し、ワークルール教育や若者を中心とした労働・貧困問題に取り組んでいる。

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