就職情報サイト大手「マイナビ」から送られてきたメールのタイトルに「大東亜以下」と書かれていた——。12月6日にメールのスクリーンショットと共に投稿されたツイートが波紋を呼んだ。
マイナビは取材に対し「枠の管理上、そのような名称を用いていた」と謝罪したが、一般的に、受験や就活に関連して、「大東亜」は、私立大学の「大東文化大学」「東海大学」「亜細亜大学」を指す言葉であることから、ネット上では「学歴フィルター」ではないかという指摘もあがった。
そもそも、企業が就活生の選考をする上で、学歴フィルターを設けることは法的にOKなのだろうか。山田長正弁護士に聞いた。
●「違法ではない」と山田弁護士
ーー新卒採用などの選考で学歴フィルターを設けることは、法的には問題ないですか。
結論として、違法ではないと考えられます。
たしかに、「学歴」のみで特定の応募者の機会を奪ってしまうことは、差別のようにも思われます。
公正な採用選考という観点でいうと、「性別」での差別を禁止する男女雇用機会均等法や、「年齢」制限を禁止する雇用対策法などの各種規制がありますから、学歴を理由に不採用とすることも許されないのではないか、と考える人がいてもおかしくありません。
しかし、企業には『経済活動の自由(憲法22条および29条)』が認められています。最高裁判決では、これを根拠に、企業の『採用の自由』を広く認めています(三菱樹脂事件・昭和48年12月12日判決)。
そのため、採用時の学歴による選別自体が、当然に違法になるとは考えられないのです。