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トイレに1時間以上こもる従業員、サボりすぎじゃない? 注意しても直らず
写真はイメージです(Ushico / PIXTA)

トイレに1時間以上こもる従業員、サボりすぎじゃない? 注意しても直らず

職場でサボり癖のある人はいますか。中には時間を潰すために「トイレ」に逃げ込む人もいるようですが、そんな人に対してどう対応すれば良いかは難しい問題です。

弁護士ドットコムには「正社員で毎日トイレに1時間も入っている従業員がいる」と言う驚きの相談が寄せられていました。相談者は経営者の立場から何回も注意をしたものの、半年以上状況は変わらないそうで「懲戒解雇は可能でしょうか」と尋ねています。

「トイレサボり」は王道なのか、Yahoo!知恵袋にも同様の目撃談が多数寄せられています。

「同じ部署の40代女性が、1時間ごとに20分もトイレに入っている」、「仕事場の人が1週間に数回トイレに30分ぐらいこもっています」、「仕事中トイレにいくと行って30分帰ってこなかった」

真面目に働いている人からは、「一人がサボると周りがバカバカしくなる」、「離席時間を監視しているつもりはありませんが、目に余る」とイライラの種となっているようです。

果たしてこうしたサボる人に対し、会社側はどのような対応をできるのでしょうか。山本幸司弁護士に聞きました。

●「職務専念義務」に反するおそれ

——トイレに1時間もこもっている人がいるそうです。これはアウトですよね?

従業員は、決められた就業時間中は、会社の職務に専念しなければならないという義務を負います。この義務は、一般に「職務専念義務」と呼ばれます。

従業員が生理現象により常識の範囲内でトイレに行くことは、やむを得ないことです。しかし、そうではなく、仕事をサボるためにトイレに行くことは、職務専念義務に違反します。

1回のトイレの時間が常識を超えて長かったり、あまりにも頻繁にトイレに行っているようであれば、会社としては仕事をサボっているのではないかと疑うこともやむを得ないでしょう。

——仕事をサボっている従業員がいた場合、会社はどう対応すべきですか。

会社が仕事をサボっている従業員を放置すると、職場のモラルや他の従業員のモチベーションが低下することにもなりかねません。

会社としては、事実関係を調査した結果、従業員が仕事をサボっていると判断した場合には、まずは口頭で注意し、それで改善されなければ、文書で注意や指導、警告する方法を採ることが考えられます。

従業員を注意する場合には、従業員から反論されることも想定する必要があります。例えば、従業員から「私がサボったというのであれば、何をしたのかというのか、具体的に説明してください」と言われることがあります。

これに対して、会社が的確に回答することができないと、場合によっては、従業員から「パワハラだ」「名誉毀損だ」と言われかねません。

会社が事前に事実関係をしっかりと調査し、従業員がいつ、どこで、どのように仕事をサボったのかを記録に残すなどしておけば、従業員に対して具体的な説明ができるでしょう。

——注意しても改善されなかった場合は?

注意をしても改善されないようであれば、懲戒処分を検討することになります。会社が従業員に対して懲戒処分をするには、あらかじめ就業規則に懲戒処分の規定を置いておくことが必要となります。

仕事をサボる従業員に対する懲戒の手段としては、まずは戒告やけん責処分とし、改善されなければ、減給、出勤停止処分といった重い処分にしていくことが考えられます。

それでも改善されない場合、従業員に退職してもらうことを考えざるを得ないでしょう。自主的な退職を促したり、解雇をすることになります。解雇は法律上厳しく制限されており、法的に無効になる可能性もあるため、慎重に判断する必要があります。

その他の会社の対応としては、従業員がサボることにより業務に支障が生じているとして、人事考課で評価する方法が考えられます。この場合、賞与や昇給、昇進等に影響することになります。

会社が何度注意をしても従業員が仕事をサボるような場合には、従業員のメンタルヘルスの不調が原因となっている可能性も考えられます。

メンタルヘルス不調があると無気力となり、仕事が手につかない状態が続くことがあります。会社としては、本人と話し合ってストレスの有無等を確認し、医師の受診と治療を進めたり、休職を促す方が良いこともあるでしょう。

プロフィール

山本 幸司
山本 幸司(やまもと こうじ)弁護士 山本総合法律事務所
広島弁護士会所属。企業法務(上場企業、医療機関など)、不動産、労働、相続・離婚問題、刑事事件などの分野で経験を積み、広島市で独立開業。税理士と共同して、法務・税務の両面からトータルサポート。

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