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2017年02月17日 16時35分

「ほっともっと」店長は「名ばかり管理職」…元従業員への残業代支払い命じる

「ほっともっと」店長は「名ばかり管理職」…元従業員への残業代支払い命じる
厚労省記者クラブで会見した、鳥飼康二弁護士(左)と水谷陽子弁護士

弁当チェーン「ほっともっと」の店長だった30代の女性が、管理職であることを理由に残業代が支払われなかったのは不当だとして、運営会社プレナス(福岡市)に未払い残業代など約510万円を求めていた訴訟の判決が2月17日、静岡地裁であった。裁判所は、女性は管理監督者には当たらないとして、プレナスに約160万円の支払いを命じた。

争点になったのは、女性が「名ばかり管理職」かどうかだ。労働基準法上、「管理監督者」には残業代を支払わなくても良いが、肩書き上「管理職」であったとしても、実態が伴っていなければ、残業代を支払わなくてはならない。

裁判所は、女性の年収が約320万円程度と本社の社員(非管理職)よりも低かったこと、店舗運営についての裁量が少なかったことなどから、管理監督者とは言えないと判断した。

女性は代理人を通じて、「この判決を受けて、会社には店長の労働条件を管理して、残業代を支払い、働く環境を整備してほしい」とコメントした。

●プレナス直営店の店長職は「管理監督者」

判決などによると、女性は、2012年7月に正社員採用され、研修の後、11月に静岡県内の店舗に店長として配属された。残業は最大で月100時間を超えたという。女性は調理やレジの仕事もしていたといい、過労で体調を崩し、2013年9月から休職。休職期間満了で、翌年10月末に退社した。

女性は、残業代が払われていなかったことから、2014年に労働審判を申し立てた。未払い残業代は約120万円と判断されたが、プレナス側が異議を申し立てたため、今回の訴訟になった。

飲食店店長の管理監督者性が争われた裁判では、マクドナルド直営店の店長について、管理監督者性を否定した有名な判決がある(2008年)。今回のプレナスの対応について、女性の代理人を務める鳥飼康二弁護士は、「今どき、大手がこんなことやるのかと驚いた。『店長は店舗の経営者だ』と一方でおだてておいて、給料は抑える。いわゆる『やりがい搾取だ』」と批判した。

【午後5時50分追記】

プレナスのHPによると、同社が運営するブランドは、ほっともっと(直営875店)のほかに、やよい軒(同250店)、MKレストラン(同31軒)がある。原告側によると、プレナスの社内規則では、管理監督者に当たるものとして「直営店上級店長および店長職」が挙げられているという。ほっともっと店長の管理監督者性をめぐっては、現在大分県でも同様の裁判が進んでいる。

弁護士ドットコムニュースの取材に対し、プレナスは「店長の扱いも含めて、現状ではコメントを差し控えたい」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

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