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ブラック企業大賞「来年は裁量労働制が焦点」「公共部門がヘタっている」委員らが議論
ブラック企業大賞授賞式後のシンポジウムの様子

ブラック企業大賞「来年は裁量労働制が焦点」「公共部門がヘタっている」委員らが議論

ブラック企業大賞の発表・授賞式が12月23日、都内でおこなわれ、「引越社・引越社関東・引越社関西」(アリさんマークの引越社)が大賞に選ばれた。その後のシンポジウムでは、同賞の実行委員会のメンバーによるシンポジウムがおこなわれ、長時間労働をなくすための今後の課題について意見を交わした。

同実行委員会の委員で、ジャーナリストの竹信三恵子さんは「今回のノミネート企業には、病院や放送局、オリンピック建設関連など、公益性・公共性の強い分野が入った。公共サービスにお金が入っておらず、公共部門がヘタってきている。(現場の人たちは)厳しい働き方をさせられている」とコメントした。

労働運動活動家の河添誠さんは、「ブラック企業大賞のノミネートは、社会の中にあるひどい企業のごく一部だ。職場で声をあげたり、労災になって当然の事案でも認定されたり、報道されたりした中から、特にひどいものをノミネートしているにすぎない。日本は、労働被害・人権侵害が隠された社会だ」と指摘した。

ブラック企業ユニオンの坂倉昇平さんは「来年は、裁量労働制の問題が焦点となる。ゲーム業界、IT業界(ウェブデザイン)、出版・メディアから相談が来ている。合法だけれど、過労する人が発生する状況がある。厚労省・労基署逃れの手法が広がっている」と述べていた。

政府がすすめている「働き方改革」について、同実行委員会の委員の佐々木亮弁護士は「『同一労働同一賃金』など、耳障りの良い改革が含まれているが、ブラック企業の拡大に役立つ『裁量労働制の規制緩和』については、通していけないと考えている。来年の通常国会の最大の焦点になる」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)

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