2018年07月24日 09時24分

はあちゅうさんが「事実婚」発表、知っておきたい税制上の「デメリット」

はあちゅうさんが「事実婚」発表、知っておきたい税制上の「デメリット」
画像はイメージです(photomai / PIXTA)

ブロガーで作家のはあちゅうさんが7月15日、自身のツイッターでAV男優のしみけんさんと事実婚の手続きを取ったと発表した。

はあちゅうさんはツイッターで、事実婚の手続きについて「区役所で職員さんがお互いの本籍地に電話して、独身であるかどうかを確認し、確認後、住民票の続柄に妻(未届)という記載をつけてくれました&保険証の世帯主氏名に彼の名前が入りました」と説明。

ファンからは「事実婚の手続き、勉強になりました」「手続きあるんですね!初めて知りました」などとリプライが寄せられているが、事実婚の場合税金で不利な点もあるという。新井佑介税理士に聞いた。

●法律婚と比べて、税金面の有利不利は存在する

「『税金』についてのみフォーカスすると、有利不利は存在します。事実婚と法律婚では税法上の取り扱いが異なるからです」

新井税理士はこのように述べる。どのような点が異なるのか。

「まず、事実婚は 所得税法上、配偶者控除と配偶者特別控除の適用が受けられません。仮に適用を受けることができれば、所得税と個人住民税の税額は軽減されます。

また、相続税法上、婚姻期間が20年以上の配偶者からマイホームやマイホーム取得資金の生前贈与を受けた場合、2000万円の配偶者控除を受けられる制度があるのですが、『事実婚』の場合には適用が受けられません。

さらに、事実婚の場合、相続権がありません。遺言や生命保険金でパートナーの財産を取得することはできますが、法律婚とくらべて相続税額が2割加算されます。

このほか、最低でも1億6000万円までは取得した相続財産に対して相続税が課税されない配偶者控除の適用もありません。

これらの制度は、いずれもその適用が受けられない場合、夫婦にとっての影響は大きいといえます」

●相続税や贈与税、制度が違うので注意

共働き夫婦にとって、配偶者控除や配偶者特別控除は関係ないのではありませんか。

「共働きの場合、パートナーが配偶者控除や配偶者特別控除の適用対象にならないケースもあります。2018年からは「配偶者控除」「配偶者特別控除」の控除対象配偶者となる要件に、「納税者の年間の合計所得金額が1,000万円(給与収入のみの場合、年収1,220万円)以下」という項目が追加されました。

このような場合、確かに所得税や個人住民税の観点からは、事実婚と法律婚の間に有利不利はないかもしれません。

しかしながら、税額が比較的大きくなることが多い相続税や贈与税の観点からは、共働きかどうかに関わらず両者では取り扱いが異なる制度があるため注意が必要です」

事実婚については、まだまだ税金面のデメリットなど知られていない部分が多そうです。

「そうですね。とはいえ、このような相続税や贈与税の取扱は、あくまでも現時点での話です。将来的には事実婚と法律婚の取り扱いについて、改正が行われる可能性も否定できません。将来的には改正されるかもしれない制度を念頭に事実婚と法律婚の有利不利の議論をすること自体、いささかロマンがないことかもしれません。

多様な価値観と生き方が尊重される現代においては、夫婦のカタチもライフスタイルに合わせて多様化していくことは当然です。はあちゅうさんとしみけんさんの幸せのカタチは素晴らしいものだと思います」

【取材協力税理士】

新井 佑介(あらい・ゆうすけ)税理士・公認会計士

AAG arai accounting group 代表。新井公認会計士事務所所長。慶応義塾大学経済学部卒業後、BIG4系ファームを経て現職。最近は様々な融資案件に積極的に取組中。

事務所名   : AAG Arai Accounting Group / 経営革新等支援機関 新井会計事務所 

事務所URL: http://shozo-arai.tkcnf.com/pc/

(弁護士ドットコムニュース)

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