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2018年08月05日 09時23分

3度の離婚、4度目は「事実婚」で 女性弁護士が語る「婚姻届を出さないからこそ生まれる絆」

3度の離婚、4度目は「事実婚」で 女性弁護士が語る「婚姻届を出さないからこそ生まれる絆」
原口弁護士

ブロガーで作家のはあちゅうさんが7月15日、自身のツイッターでAV男優のしみけんさんと事実婚の手続きを取ったと発表し、事実婚への関心が集まっています。

離婚や男女問題に注力している原口未緒弁護士は、3度の離婚を経験し、3年ほど前に4度目の結婚として事実婚を選びました。現在は2歳になる子どもを育てている原口弁護士。事実婚とその結婚生活について、話を聞きました。

●法律婚にメリットはないと感じた

ーー事実婚の3年を振り返っていかがですか。

生まれた子どもを絆に、子育てに追われるあっという間の3年間でした。妊娠して子どもが生まれて、訳のわからないまま1年が終わり、ようやく今落ち着いてきたところです。夫の存在は一緒に乗り越えてきた戦友のような感じです。

ーーなぜ事実婚を選んだのでしょうか。

3回の結婚と離婚を経て、法律婚にメリットはないなと感じたからです。私は扶養には入れません。また、名前を変えるので、あらゆる名前変更の手続きが非常に面倒臭いのです。離婚して名字を戻したこともありますが、その際も大変で、もう名前変えるのは嫌だなと思っていました。

また、普段男女問題を中心に法律相談を受ける中で、女性たちが妻であることや籍を入れたことに固執して振り回されている姿も見てきました。私もそうだったので、「結婚したんだから〜〜するべき」とついつい重くなってしまう気持ちは分かります。それで「結婚ってなんのためなんだろう」という本質的なところが気になりだしたんです。

次にもし結婚することがあったら、あえて籍を入れずに、法律によって守られる妻の権利というものがなくても結婚できるということを示したいと思っていました。

●「自分は外れ者」と言う感覚があった

ーー3回目の離婚の後に、考え方がガラリと変わったのですね。

はい。過去の結婚では、私も相手に対して「夫だから」という理由で期待したり依存したりしていました。3回目の離婚をした後に、一度立ち止まって自分を振り返ったんです。心理学などを勉強して、「こうでなければいけない、というものはない」と思うようになりました。固定概念を壊すことで、視野が広がったんです。

初婚は30歳でした。その頃には周りの友人も結婚し、1〜2年で子供ができ、出産や育児と次のライフステージに進んでいきました。一方で、私の場合、結婚してからすぐに子供ができなかったんです。結婚してから、期間がポカーンとあいてしまった。そうすると仕事に生きるしかなくて。30歳までに結婚、それから子供を産むという「世の中のレール」から外れてしまったような気持ちになりました。

自分で「自分は外れ者」と言う感覚が強くあったんです。それで迷走してしまった。「子供が生まれたら幸せになるんじゃないか」「相手を変えたら進められるのではないか」。当時は早く世の中のレールに戻りたくて焦っていたんだと思います。年齢を重ねて、3回の離婚を経験した上で、「自分はこれでいいのだ」という軸ができてきました。

●事実婚「離婚したくてもできない」

ーー過去のインタビューでは「(事実婚は)籍を入れていない以上、絶えず緊張感がある」と話しています。どういう意味でしょうか。

「もう離婚したい!」と言っても、してないからできないんですよ(笑)。出て行って連絡がつかなければ、2度と会えないかもしれない。これまで大喧嘩して衝動的に「もういいじゃん、出て行けば」と言った事もありますが、すぐに自分で必死に止めました。「最終的には籍で守られている」といったものがないので、籍に甘んじないところがあると思います。

ーー事実婚でこれまでに困ったことはありましたか。

病院は厳しかったですね。法律上の配偶者等の親族ではない者が手術の同意書にサインすることは、一般的に認められていません。私は出産の際に、緊急帝王切開をすることになったのですが、同意書も内縁の夫は書けないということで、親に書いてもらいました。

また、生まれた長男がNICUに10日間入院したのですが、面会の際も「親族でないとだめ」と言うことで、夫のみでは入れず、うちの母が「この人は旦那さんです」と言って一緒に入りました。

ただそれ以外は何も不自由していません。住民票はお互いが世帯主として登録し(世帯分離)、生活を共にして、一緒に暮らしています。結婚というシステムに頼らなくても、十分にやっていけると思います。

ーー事実婚について、周囲の反応はどうでしたか。

周りの友人には、私たち夫婦を紹介するときに「旦那さんみたいな人」「奥さんみたいな人」と言います。すると「どう言う意味」と突っ込まれる。事実婚であることを伝えると「へぇー」という反応をされます。それくらいですよ。

●事実婚はお互いに自立心がつく

ーー周りのかたに事実婚を勧めますか。

私は事実婚の方がいいと思います。お互いに自立心がつきますから。結婚は婚姻届で縛らないとできないものなのでしょうか。婚姻届を出さないからこそ、色々決めておこうと夫婦で話し合い、絆が生まれると思います。

1999年に結婚し、7カ月で離婚したIZAMさんと吉川ひなのさんは、当時の会見で、結婚を決めた理由について「せっかく結婚というかわいい制度があるので使わない手はない」と話していました。マスコミからは「ままごと結婚」と言われていましたが、結婚はひなのさんのように「制度を利用する」という感覚でいいと思うんです。

法的に籍が入っていないとできないこともあります。名字を変えることもそうでしょう。「彼と同じ名字になってみたい」という目的があって、結婚制度を利用するのであれば、いいと思います。

ーー結婚に何を求めるのかは人それぞれですね。

はい。籍を入れる=幸せではありません。そのあとのビジョンがないと、他人任せになっていきます。

日本の学校教育は100点満点がパーフェクトで、評価は減点方式ですよね。「こうするのが優等生」という分かりやすいモデルケースがある。でも、人はそれぞれ違う。モデルケースやレールから外れてしまってもいいと思います。

どうしても「答え」を求めたがるのが人です。結婚して幸せそうな人を見て、自分も結婚したら幸せになれるのかなと思ってしまう。でも、周りの情報に振り回されると自分の軸ができない。籍を入れようが入れまいが、大事なのは中身だと感じています。

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

原口 未緒弁護士
東京弁護士会所属。心理カウンセリング・アカシックリーディングも併用しながら、こじらせない円満離婚の実現を目指します。著書『こじらせない離婚―「この結婚もうムリと思ったら読む本」(ダイヤモンド社)
事務所URL:http://mio-law.com

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