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愛した独身のカレは「偽名の既婚者」だった! 1年を無駄にした女性「厳罰にして」
写真はイメージです(プラナ / PIXTA)

愛した独身のカレは「偽名の既婚者」だった! 1年を無駄にした女性「厳罰にして」

交際して1年になる彼がブログにアップした写真。そこには、左手薬指に指輪をはめた彼氏が写っていたーー。インターネットのQ&Aサイトに、このような投稿が寄せられています。

彼が「独身」であると信じて交際を始めたという投稿者の女性。しかし、既婚者であるということだけではなく、彼の名前も偽名だったことが分かったようです。

投稿者は「人間不信になりました。彼のために使ったお金を返してほしい」としています。

独身のフリをして交際し、相手に深い傷を残す不届き者たちに「厳罰」を願う声も上がっています。ネット上には「既婚者隠しは犯罪」「罰を与えてください」などと非難する声も少なくありません。

一方、既婚者であることを隠して交際をした側からは「罪になるのか」という質問が弁護士ドットコムに複数寄せられています。

既婚である事実を隠して交際した場合、犯罪になることはあるのでしょうか。森本明宏弁護士に聞きました。

●偽名を使った交際を罰することはできない

ーー今回の投稿者は、相手男性が偽名を使っていたようです。このような場合は、なんらかの罪に問われることはあるのでしょうか

「不倫をすることや、家族関係や氏名を隠して交際することが犯罪だとして、罰する法律はありません。

しかし、身分を偽って交際し、その間、お金をもらった場合は、結婚詐欺などに当たる可能性もあります」

ーー結婚詐欺にあたるのは、どのような場合でしょうか

「結婚詐欺は『詐欺罪』の一類型です。結婚する意思がないのに、結婚をほのめかすことによって、金銭等を要求し、これを受け取ることをいいます。

もし、相手男性が結婚をほのめかして、投稿者に金銭等を要求していた場合は詐欺罪にはあたる可能性があります」

●慰謝料請求が認められた裁判例も

ーーネット上では、独身のフリをして交際する既婚者に「厳罰」を求める声もあります

「刑法上罪に問われないといっても、何の法的責任も負わないわけではありません。

過去にも、継続的に性交渉を持つなどの関係にあり、交際相手が結婚を前提とする真剣な交際を望んでいると知っていたにもかかわらず、独身を装い偽名を使って3年間交際を続けていた男性に対し、50万円の慰謝料の支払いを認めた裁判例がありました。

今回のケースでも、男性に対し、慰謝料請求が認められる可能性はあります」

プロフィール

森本 明宏
森本 明宏(もりもと あきひろ)弁護士 四季法律事務所
愛媛弁護士会所属(2002年弁護士登録)。2010~2011年度、愛媛弁護士会副会長。2020年度、愛媛弁護士会会長。日本スポーツ法学会会員。

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