2017年11月29日 10時21分

同性婚の法制化で「異性婚のあり方」も変わる? 法学者、別姓問題など「避けては通れない」

同性婚の法制化で「異性婚のあり方」も変わる? 法学者、別姓問題など「避けては通れない」
宍戸教授

同性カップルに対する法制度の不備を考えるシンポジウム(日弁連主催)が11月22日にあった。2人の法学者が同性パートナーシップ条例だけでは不十分で、同性間の婚姻も認めていく必要があると語った。

同性カップルの権利をめぐっては、渋谷区や札幌市など、全国6自治体に同性カップルを公的に証明するなどのパートナーシップ条例ができた。しかし、「異性婚」の夫婦と比べて、相続や税金などの面で保護は乏しい。

東京大学大学院の宍戸常寿教授(憲法学)はこうした状況は、法の下の平等(憲法14条1項)に反するなどとして、解決が必要だとする。

宍戸教授によると、その際に重要なのは、同性カップルが置かれた現状を「自律」(ex.結婚という選択肢が奪われている)、「地位」(ex.同性婚の夫婦と比べ不利益がある)、「尊厳」(ex.存在の否定)のそれぞれに分けて議論することだという。

たとえば、パートナーシップ条例の拡充は、「地位」からのアプローチといえ、宍戸教授も中心に据えるべきとしている。しかし、そうすると「尊厳」の問題に直面する。すでに婚姻制度があるのに、別の枠組みを広げるのは、同性カップルを「下のもの」として見ることになるからだ。

「パートナーシップ条例だけでもいいよね、という議論もあり得る。しかし、同性カップルに限って法律婚を認めないのは、尊厳の毀損ではないか、という議論がその先にあるだろう」(宍戸教授)

同性カップルへの法的保障を考えれば、「法律婚」の議論は避けて通れないーー。明治大学の鈴木賢教授(中国法)も、法律婚を求めていくべきとし、「同性間での婚姻を認めることは、異性間の婚姻を変えることにもなるだろう」と語った。たとえば、選択的夫婦別姓の議論だ。

「夫婦同氏を法律で強制することも、女性だけが姓を変えることを前提(編集部注:夫の姓を選択する夫婦が96%)にしているから続いている。たとえば、両方男性のカップルでどっちかの姓が変わるとなったら、おかしいという声があがるのではないか。そうすると、同性間の婚姻を認めるときは、それ(夫婦同氏)も変えないといけないということになる」

影響範囲が大きいからこそ、ハードルも高くなることが予想されるが、鈴木教授は「避けては通れない」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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