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チャット型AI、弁護士の使い方「ブレストの相手」「連絡文書の起案」<アンケート>
写真はイメージです(Supatman / PIXTA)

チャット型AI、弁護士の使い方「ブレストの相手」「連絡文書の起案」<アンケート>

ChatGPTなど、チャット型AIの注目度が飛躍的に高まる中、弁護士の業務にはどんな影響が出るのでしょうか。弁護士ドットコムはチャット型AIツールの利用について、会員の弁護士にアンケートを実施しました。関心のある弁護士や、既に使用している弁護士が一定数いることがわかりました。

●利用したことがある「6割」

アンケートは2023年4月4日から9日まで実施。146人が回答し、「試したことがある」(29.5%)「業務・私的に活用」(18.5%)「私的には活用」(13.0%)を合わると、6割の弁護士が何らかの形で使ったことがあると回答しました。「知っているが未活用」は34.9%、「知らない」は4.1%でした。

ただ、今回のアンケートの回答者がチャット型AIにもともと関心が高い属性の可能性はあります。

●「ChatGPT」の高い知名度

サービスごとの利用動向について、以下で説明します。

チャット型AI「ChatGPT」の利用を尋ねたところ、 「知っているが未活用」が39.7%と最も多く、「試したことがある」が27.4%、「業務・私的に活用」が15.8%、「私的には活用」が13.0%、「知らない」が4.1%と続きました。

9割以上がChatGPTを「知っている」とした一方、実際の利用割合は6割程と、知名度と利用度の割合には差があるようです。

チャット型AI「NotionAI」の利用を尋ねたところ、 「知らない」が56.2%と最も多く、「知っているが未活用」が39.0%。「知らない」という人が、「知っている」を上回る結果となりました。

「業務・私的に活用」が2.1%、「試したことはある」が1.4%、「私的には活用」が1.4%と、利用したことが「ある」のはわずか5%となりました。

チャット型AI「Bing(AI)」の利用を尋ねたところ、 「知っているが未活用」が50.0%と最も多く、「知らない」が26.7%、「試したことはある」が12.3%、「業務・私的に活用」が5.5%、私的には活用が5.5%。

何らかのかたちでBing(AI)を利用したことが「ある」人は、23.3%という結果になりました。

●業務での具体的な使い方は「メールや書類の原案作成」「判例調査」

「チャット型AI」を業務で利用したことが「ある」と回答した人に、自由回答で具体的な使い方について尋ねたところ、以下のようなコメントが寄せられました(抜粋)。

メールや書類の原案作成

・メール文案作成

・セミナーのチラシの案内文作成

・依頼者から受け取った断片的なメッセージをきれいな文章にまとめる。相手方に伝えたいことを弁護士が箇条書きで入力し、自然な文章にまとめるなど。ただ、守秘義務との兼ね合いがあるので、固有名詞は一般名詞にしたり(「依頼者」、「相手方」など)、伏せ字にするなどの工夫が必要。

・被害者への手紙を書くにあたりAIに作らせた文面をドラフトとして使った。

・依頼者への連絡文書の文例を起案してみた。自分で書いた方が適切にニュアンスを表現できるし、文章をよくするためにたくさん指示を出すならば、自分で書いても同じだなと感じた。

判例などの調査

・事件処理の下調べに利用

・契約条項の確認 込み入った事案の類似判例の調査

・医学・自然科学の分野の主張の内容を解説して、正当性を補充するために利用した。例えば、酩酊の程度の解説や意識レベルの一般的解説など

・ある論点について最高裁の判例があるかどうかの質問や、要件についての質問

・基礎的な情報のリサーチやまとめ

文章の校正

・作成した英文書類のプルーフリード

意見交換

・長文の書面をOCRして、修正したり、要約してもらっている。また、ブレーンストーミングの相手になってもらっている。

・電子化した書籍をindex化してOpenAI APIで要約・質疑応答させるなど

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