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2020年10月15日 16時17分

LGBT差別を禁じる法律がない日本、東京五輪きっかけに法整備求める署名活動スタート

LGBT差別を禁じる法律がない日本、東京五輪きっかけに法整備求める署名活動スタート
「LGBT平等法」の制定を求める「LGBT法連合会」や「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」など(2020年10月15日/文科省/弁護士ドットコムニュース撮影)

2021年に延期された東京五輪・パラリンピックのレガシーとして、性的マイノリティの人たちに対する差別を禁止する「LGBT平等法」の制定を求める署名キャンペーンが10月15日、スタートした。

呼びかけているのは、全国100以上のLGBT関連団体で構成する「LGBT法連合会」や国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」、スポーツとLGBTに関する活動をしている「アスリート・アライ」の3団体。ネットで署名を募って、年明けに各政党に提出し、国会での議員立法を目指す。

LGBT法連合会などによると、五輪開催国をはじめ、世界では80カ国以上で、性的指向や性自認に関する差別を禁止する法律が整備されているという。

この日、文科省で開催された会見には、国内の現役アスリートとして唯一、同性愛をカミングアウトしているサッカー選手の下山田志帆さん(スフィーダ世田谷FC)が参加。カミングアウトもできない性的マイノリティのアスリートたちが置かれた厳しい状況を指摘し、「もしも法律が整備されれば、安心してスポーツを楽しめる選手が増えると思います」と語った。

●「国内でLGBTを差別から守る法律がない」

なぜLGBT平等法が必要なのか、LGBT法連合会の五十嵐ゆり共同代表は会見でまず、日本のLGBT当事者に対する差別の現状を説明した。

「調査によると、職場ではLGBTを理由に解雇されたり、差別的な取り扱いを見聞きしたことがある人は約4割。自殺未遂経験も、異性愛者に比べてLGB当事者はその6倍、Tは10倍で、大きな数字として認識しています。

社会の偏見や無理解を背景に、差別を恐れて相談したり周囲に頼れず、当事者の困難が見えづらいという現状があります」

しかし、LGBT平等法が制定されれば、子どもへのいじめの未然防止や、もし被害を受けた場合の子どもへのケアが義務付け、雇用での当事者への差別も禁止されるなどが期待される。

「現在、LGBT差別禁止条例がある自治体は茨城県と東京都のみ。学校や職場で実際に起きている差別から、LGBTを守るための法律が日本にはありません。LGBT当事者が社会を生きるうえで、この法律が必要だとあらためて呼びかけたいです」

 会見資料より

●LGBTのアスリートが安心してスポーツできる法整備を

ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表を務める土井香苗さんは、「OECD諸国のうち『同性愛者への受容度』を比較すると、日本は36カ国中、25位。性的マイノリティに関する法整備状況にいたっては、35カ国中、34位です」と説明。国際的にもLGBTに関する法整備の遅れが目立つことを指摘した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチではすでに今年4月、当時の安倍晋三首相に対し、性的指向・性自認による差別からの保護を定める法律を求める要望書を提出している。これらのアプローチに加え、法律をつくるのに重要な世論の声を、署名という形で可視化したいとしている。

オリンピック憲章では、性別や性的指向による差別を明記している。これは、ソチ五輪でロシアが「同性愛宣伝禁止法」を制定したことを受け、2015年に改訂して盛り込んだものだ。 しかし、スポーツ界ではいまだ性的マイノリティ当事者への差別や偏見は横行しているという。フェンシング元女子日本代表で、NPO法人東京レインボープライド共同代表の杉山文野さんは会見で、あらためてLGBTのアスリートが安心してスポーツできる法整備を求めた。

「国内では、プロのアスリートでカミングアウトしている方はいない。決して存在しないわけではなく、それだけ言いづらいのが現状です。

個人的には、五輪メダリストの方からご相談を受けたこともあります。カミングアウトができない、ファンや家族に失望されるのではないかという恐怖感があるとおっしゃっていました。もしも競技団体に理解がなかった場合は、引退後の仕事にも影響します。

自分自身も、いつセクシャリティがバレるのではないかという恐怖の中で選手生活を送っていました。しかし、そうした不安を取り除くことができれば、ポテンシャルをより発揮できる。LGBT平等法があることで、職場や競技場での安心につながります」

署名キャンペーンは、「Equality Act Japan 日本にもLGBT平等法を」( https://equalityactjapan.org/ )。10月15日にサイトを立ち上げ、SNSなどで広く募っていく。

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