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電動キックボード規制緩和、弁護士の9割が事故増加を懸念「歩道走行は禁止して」「ヘルメット義務化を」
電動キックボード(maroke / PIXTA)

電動キックボード規制緩和、弁護士の9割が事故増加を懸念「歩道走行は禁止して」「ヘルメット義務化を」

電動キックボードをめぐる規制が緩和され、7月から16歳以上なら免許・ヘルメットなしで利用できるようになる。

一方で、フランスでは、電動キックボードの規制強化が打ち出され、シェアリング事業継続の是非を問う住民投票では、反対が9割に達するなど、否定論も起きている。

こうした中で、弁護士ドットコムは、登録弁護士109名を対象に、電動キックボードに関する調査を行った。

<現行制度>
・一部の実証実験を除いて、原動機付き自転車(原付バイク)と同じ区分
・免許やヘルメット、バックミラーやナンバープレートが必要
・走るのは車道のみ

<7月からの新制度>
・最高時速20キロ以下などの条件を満たせば、新設の「特定小型原動機付き自転車」に区分
・16歳以上は免許不要、ヘルメットは努力義務、バックミラーは不要。ナンバープレートは必要
・最高時速を6キロ以下に切り替えれば、歩道や路側帯の走行も可能

●否定的な意見が目立つ結果に

調査は2023年3月25日から4月2日にかけて、ウェブアンケートで実施。弁護士109人から回答が得られた。

半数超の弁護士が規制緩和に反対

今回の規制緩和について、どう考えるかを尋ねたところ、「反対」(41.3%)、「やや反対」(14.7%)を合わせて否定論が56.0%という結果となった。「賛成」は22.9%、「やや賛成」は12.8%だった。

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9割の弁護士が事故増加へ懸念

改正後、電動キックボードの事故が増加すると思うかを尋ねたところ、「増加する」(69.7%)「やや増加する」(22.9%)を合わせると92.6%という結果となった。

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新制度への不安、歩行者の事故リスクが最多

また、新制度に期待できる点と不安に感じる点をそれぞれ選択式で尋ねた。

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期待の1位は「多くの人が簡単に使える」「新しいサービスが生まれるきっかけになる」が53.8%でイノベーションへの期待がうかがえた一方で、不安の1位は「周囲の歩行者の事故リスクが高まる」(95.1%)など事故に関するものが上位を占めた。

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6割の弁護士が事業者の対応は不十分だと回答

事前に交通ルールを確認するテストやルールを解説した動画視聴を進めるガイドラインを策定する方針について尋ねたところ、「不十分だ」(51.4%)「やや不十分だ」(11.0%)を合わせると62.4%という結果となりました。「十分だ」は7.3%、「ある程度は十分だ」は16.5%にとどまった。

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●「使用場所の限定を」「技術革新を取り入れることは大切」

電動キックボードの新制度についての意見を自由回答で尋ねたところ、以下のようなコメントが寄せられた(抜粋)。 

・「歩道走行禁止、原付と同等の規制を強くかけるべき」

・「現在の日本、特に人口密集地の道路状況からして、公道で使用するにはリスクが大きい。郊外など使用場所を限定するなどすべき」

・「海外では電動キックボードの規制を強化する方向で動いているし、事故を未然に防ぐためにヘルメット着用を義務化するべき」

・「街中の移動の利便性は向上する一方で、安全性やインフラ整備等、課題も多いため、制度発足後も、議論が活発になると思われる」

・「キックボードにカメラ付きコンピューターを設置して、たとえば前方が赤信号であれば『赤信号です、停止してください』、交差点であれば『交差点です、減速してください』とアナウンスするナビ機能が付けば、より気をつける利用者が増えると思います」

・「保険への加入を義務付ける等の制度を設けるべき」

・「技術革新を取り入れることは大切だと思います。ドローンや自動運転技術についても積極的に採り入れ、社会を便利にしていくべきです」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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