阪神などで活躍した元プロ野球選手の新庄剛志さん(48)が、4月16日に放送されたTV番組で、元妻でタレントの大河内志保さん(48)との離婚について、「海外からのメール1通で離婚の意思を伝えた」ことを明らかにした。
新庄さんは、CMの撮影で訪れたインドネシア・バリ島を気に入り、1人で移住することを決意。当時の妻の大河内さんに、メールで「離婚しよう」と伝えたという。
これに対し、大河内さんは当初意味がわからず困惑していたというが、新庄さんの離婚意思が固いことを確認。最後は、新庄さんの決意に折れて離婚に至ったという。
離婚を突然切り出したことだけでなく、それをメールで伝えたことにも驚くが、現役時代に数々のファンサービスでアッといわせてきた新庄さんらしい行動といえるかもしれない。
しかし一般的に、一方の配偶者が突然離婚したいと言っても、相手が納得せずに離婚を拒否することは十分に考えられる。
新庄さんのように、「海外へ1人で移住したい」と考え離婚しようと思った場合、相手が拒否していても離婚が認められる余地はあるのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。
●「海外へ1人で移住したい」だけでは、相手に拒否されたら離婚不可
ーー離婚するためにはどのような手続きが必要ですか
「まず、お互いに納得して離婚するのであれば、そのまま離婚することができます。これを『協議離婚』といいます。
しかし、相手が話し合いでは離婚に合意してくれない場合、いきなり訴訟を提起することはできず、まず調停を申し立てなければなりません。このことを『調停前置主義』といいます。
調停の場でも話し合いがまとまらなかった場合には、訴訟手続によらざるを得ません。法律上の離婚原因については、民法770条1項に列挙されています。具体的には、以下の5つです」
(1)不貞行為(相手が浮気をしていた場合)
(2)悪意の遺棄
(3)3年以上の生死不明
(4)強度の精神病にかかり回復の見込みがない
(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
ーー「海外へ1人で移住したい」という理由はどうでしょうか
「『海外へ1人で移住したい』と考え離婚しようと思った場合、上記(1)〜(4)に該当しないことは明らかですから、(5)に該当し得るかが問題となります。
『婚姻を継続し難い重大な事由』とは、個別の事情によって判断する必要がある場合ですが、『海外へ1人で移住したい』という理由だけでは(5)に該当するとはいえません。相手が拒否すれば、法律上離婚が認められる余地はないといえます」
新庄さんが「僕の性格を(大河内さんが)知っているから」と番組で話していたように、メールから離婚が成立するのも、夫婦間に信頼関係があるからこそなのかもしれない。なお、新庄さんは現在、プロ復帰を目指してトレーニングに励んでいるという。