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ソーシャルレンディング「3億円損害」個人投資家143人らが集団提訴
会見した原告側代理人弁護士(2019年8月2日、東京都、弁護士ドットコム撮影)

ソーシャルレンディング「3億円損害」個人投資家143人らが集団提訴

ネットで高い利回りをうたい融資を仲介するソーシャルレンディングで損害を被ったとして、全国の個人投資家143人と法人2社が8月2日、「エーアイトラスト」(東京都港区)と役員などを相手取り、計約3億4748万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

東京・霞が関の司法記者クラブで会見した原告側代理人によると、ソーシャルレンディングはお金が戻らなくなるトラブルが急増している。同種の集団訴訟も起きており、今回の原告の人数は過去最多だという。

●安全性アピールの裏で…

ソーシャルレンディングとは、インターネットで個人投資者からお金を集めて、ファンド業者を通じて中小企業などに融資する仕組みのこと。

訴状によると、同社は貸付先が公共事業を取り扱う会社であることや、役員に国土交通省や関東財務局、防衛省など官僚OBが複数いることなどを強調して、安全性をアピールしていた。

しかし、実際には貸付先の事業自体が存在せず、少なくとも約15億8千万円が同社の元取締役が実質的に支配する法人に流出していたことが金融庁の調査でわかった。

金融庁は2019年3月、同社の金融商品取引業の登録を取り消し、業務改善命令を出した。行政処分は2018年12月に続いて2度目だった。

金融庁はファンド業者の信用力を見極め、取引内容を十分に理解した上で投資を行うよう注意喚起している。具体的には、貸付先の属性や貸付条件、貸付先の資金情報などを確認するよう呼びかけている。

代理人の太田賢志弁護士は「投資する方にとっては、ネット上で軽い気持ちで少額から投資ができ、ソーシャルレンディングを取り扱う業者も乱立している」と指摘。「融資する際には、金利が高すぎないかということ、貸付先が明らかになっているか確認することが大切」と話した。

弁護士ドットコムニュースは、同社にコメントを求めている。回答があり次第、追記する予定。

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