認知した子どもとの面会交流や養育費支払いはどうすればいいのか? そんな相談が弁護士ドットコムに複数寄せられています。
ある相談者には、認知した子どもがおり、毎月3万円の養育費を相手方に支払っています。
ところが、半年前に子どもの母親が結婚して、相談者が認知した子どもと結婚相手が養子縁組をしていることを知りました。相談者は養育費の免除または減額を相手方に要求していますが、全く応じてもらえないようです。
認知した子どもが相手方の再婚相手と養子縁組をした場合、面会交流や養育費はどうなるのでしょうか。木下貴子弁護士に聞きました。
●「原則として、養育費の支払義務がなくなる」
——母の結婚相手と子が養子縁組した場合、相談者が支払う養育費は減額、あるいは免除されますか
その場合、養親が第一次的に子を扶養する義務が発生し、それまで養育費を支払っていた実親に養育費は求めることは出来ない、とされています。
そのため、原則として、養育費の支払義務がなくなることになります。
もっとも、二次的には義務を負っていると考えられるので、再婚相手(養親)が病気などで働ける状況でなく、全く子への養育義務を果たせない場合には、養育費の支払い義務が発生することもあるでしょう。
——養子縁組をした場合でも、面会交流は認められますか。
古い裁判例では「平穏な生活に波風をたてないように」という理由で、実親との面会交流を認めないものもありました。
しかし、現在は、養子縁組をすること自体が直ちに面会交流を制限する理由になるとは考えられておりません。
面会交流は、子の利益のためになされるものですので、実際に認められるかは個別の事情によるところがあるでしょう。
再婚相手と養子縁組をされたことで、養育費の支払いをやめた場合、養育費を支払っていなくとも、面会交流を希望することは可能ですが、面会を実施するには、同居親の協力が必要なことは否めません。
気持ちよく面会交流に協力してもらうためには、法的義務ではないとしても、養育費を支払うことも検討してもよいでしょう。