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ディズニー休園なのに、外周モノレールは運行中 なんでまだ走ってるの?
車内の様子(読者提供、2019年)

ディズニー休園なのに、外周モノレールは運行中 なんでまだ走ってるの?

新型コロナウイルス対策で休園している東京ディズニーリゾート。外周を走るモノレール「ディズニーリゾートライン」はその名の通り、乗客をディズニーの施設に運ぶ路線だ。

しかし、2月29日にディズニーランド、ディズニーシーが休園になってからも、14分間隔という時間を守って運行を続けている。来園客もいないのに、いったいなぜ?

●アトラクションじゃなくて「公共交通機関」

ディズニーリゾートライン(運営はオリエンタルランドの完全子会社・舞浜リゾートライン)はJR京葉線の舞浜駅と連絡しており、ディズニーの施設に人々を届けるための環状線だ。

休園になり、来園客を乗せる必要がなくなったようにも思えるが、それでも運行を続けている。

オリエンタルランド広報部によると、具体的な数字はわからないものの、確かに乗客数は減っているという。なぜ、運行を続けているのか。取材に対し、こんな答えが返って来た。

「ディズニーリゾートラインは鉄道であり、公共交通機関です。国土交通省の指導のもと運行しておりますので、企業判断で止めることはできません」

ファンシーな見た目から、アトラクションと思われてしまうこともあるそうだが、公共交通機関としての役目をまっとうするために動き続けていたのだ。

ただし、4月6日から、リゾートゲートウェイ・ステーション(駅)発の最終便を午後11時30分から午後8時3分に繰り上げた。園内外にある4つのディズニーホテルや沿線のホテルが営業を停止しているためだ。

最終便を早めたことで、結果的に便数も減ったことになる。しかし、「公共交通機関」ということなら、減便の手続にも手間がかかるのではないか。事業会社の判断でできてしまうものなのだろうか。

●「間引き」に特段の申請はいらない

国土交通省鉄道局安全監理官室は、「鉄道会社は鉄道事業法17条にもとづき、主に3月や9月のダイヤ改正の時期の前に、運行計画をあらかじめ国交省の鉄道局や地方運輸局に提出しています」と話す。

「運行計画の中で設定した定期ダイヤから、便を間引く場合には特段の申請が必要ありません。そのため、終電を繰り上げたとしても、もともと存在していたダイヤで運行していれば問題ありません」

つまり、どれだけ減便しても、残った便の運行時間が変わっていなければ問題はない。ただし、利用者への周知などは必要となってくる。

ちなみに増便のときは、改めて申請が必要になることもある。

「臨時便と定期便によって異なります。臨時便は3カ月に9本以下。定期便は3カ月に10本以上と定められています。定期便の場合は申請が必要となります」

●減便要請があったら?

安倍晋三首相は4月7日、新型コロナウイルスの問題で緊急事態宣言を発出する見込みだ。今後、政府が減便などを鉄道各社に要請することも考えられる。

「仮定の話なので、今の段階ではなんとも言えないが、状況を鑑みて基本的に対応することになっている」(オリエンタルランド)

なお、ディズニーリゾートには園内を走る「鉄道」もある。ランドを走る「ウエスタンリバー鉄道」とシーを走る「エレクトリックレールウェイ」だ。

いずれも来園客を乗せるが、ともに「鉄道ではなく、パークの中のアトラクション施設。国土交通省には届けていないもの」という扱いだ。そのため、こちらはパークの休園にともなって、乗ることはできなくなった。

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