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女子学生を風俗に沈める「卑劣さ」、祇園のバー経営者はどんな罪に問われる?
画像はイメージです(amadank/PIXTA)

女子学生を風俗に沈める「卑劣さ」、祇園のバー経営者はどんな罪に問われる?

街中で、若い女性に声をかけてバーに連れ込み、多額の負債を抱えさせたうえで、風俗店に紹介して働かせたとして、京都市内のバー店長や大学生ら、男性4人が1月中旬、職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いで、京都府警に逮捕された。

報道によると、店長らは、京都市内の学生20人をあつめてスカウト集団をつくり、繁華街や大学キャンパス周辺で、女子学生に声をかけて、経営する京都・祇園のバーに誘い、高額の飲食代を請求。その代金が払えないと、風俗店に紹介して、従業員として働かせていたという。

風俗店からは、1人あたり15%のキックバックがあったそうだ。このグループはイケメン揃いで、2017年から2018年にかけて、のべ262人の女性を紹介し、約7300万円を得ていたという。今回の逮捕容疑となった有害業務の紹介とは、どのようなものだろうか。大川一夫弁護士に聞いた。

●ソープランドなどへの職業紹介が禁止されている

――「有害業務の紹介」はどのような罪でしょうか?

職業安定法は、労働者の職業紹介などを規制している法律です。この中で、「公衆衛生または公衆道徳上有害な業務につかせる目的での職業紹介」が禁止されています(同63条2項)。違反した人は、「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」とされます。

――有害業務とは?

ここでいう「有害な業務」とは、社会一般の道徳観念に反する業務をいいます。ソープランドなど、いわゆる風俗営業はこれにあたります。いわゆる風俗営業法の届出があるかどうか、とは関係ありません。風俗店は、職業安定法との関係では「有害業務」とされているのです。

――今回のケースは、罪に問われるのでしょうか?

報道によりますと、大学生たちは若い女性を単にナンパするだけはなく、さらに借金漬けにして、その返済のために風俗店を紹介していたようです。職業安定法が禁止する『有害業務』の紹介にあたり、罪に問われるでしょう。大学生たちはキックバックを受けていたというのですから、紹介していたことは間違いないでしょう。

――もし若い女性が、こうした事態に巻き込まれたとき、どう対応すればいいでしょうか?

まず、恋心につけ込んだ、いわゆる「デート商法」のような詐欺商法が存在することを知っておかなければなりません。

そして、いろいろなパターンがあるにせよ、相手が大きなお金を使わせようとするときは、そのこと自体おかしいと思わなければなりません。つまり、性別問わず、若い人は、身の丈を超えるお金の使い方をしないことです。

そして、もし借金を背負わされたとしても、風俗店を紹介されたときに簡単に応じるのではなく、警察や弁護士などに相談してください。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

大川 一夫
大川 一夫(おおかわ かずお)弁護士 大川法律事務所
大阪弁護士会所属、元同会副会長。現在、同会労働問題特別委員会委員、刑事弁護委員会委員。龍谷大非常勤講師、日本労働法学会会員、連合大阪法曹団代表幹事、大阪労働者弁護団幹事など。

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