プレイステーション4用ソフト「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」が5月10日に発売され、人気を集めている。だが、人気ソフトゆえの宿命か、同ソフトは、発売前の移送中に英国で盗まれるというトラブルに見舞われていた。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの吉田修平氏(ワールドワイド・スタジオ プレジデント)が、プレイステーションの公式ブログで4月下旬、「英国にて盗まれたと思われるソフトが流通し始めている」と指摘。盗まれたソフトからネタバレ映像が流出する可能性も否めないとして、注意を呼びかけていた。
人気のゲームソフトであれば、誰よりも早くプレイしたいという人もいるだろう。だが、それが盗品であった場合どうなるのか。もし、日本で同様のことがおきた場合、盗品を購入した消費者は罪に問われることになるのか。本多貞雅弁護士に聞いた。
●盗品と知って購入した場合は罪に問われる
「もし日本で同様の事例が起きたとして、盗品だと知らずに購入してしまったような場合は犯罪にはあたりませんが、ゲームソフトを盗品だと知った上で購入すれば、盗品等有償譲受け罪が成立します。
10年以下の懲役および50万円以下の罰金に問われる可能性があります(刑法256条2項)。無償で譲り受けた場合でも、法定刑は3年以下の懲役に問われる可能性があります(同条1項)。
こうした盗品を譲り受ける行為は、所有者が被害品を取り戻すことを困難にするばかりでなく、窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であることが、罪にあたる根拠だと考えられています。
国内で盗まれたゲームソフトであれば当然ですが、海外で盗まれたゲームソフトであっても、それを海外で日本人が有償で手に入れた場合は盗品等有償譲受けの罪にあたります(刑法3条16号)。
また、海外で盗まれたゲームソフトを、日本で、盗品と知って手に入れた場合、これらの罪が成立すると考えられます」
●発売前にプレイ動画を流出させた場合は?
今回のケースでは、ゲームプレイ動画など、発売前のゲームソフトの内容や映像が流出してしまうことが危惧されていたが、そうしたことも問題になるのか。
「一般的に、ゲームプレイ動画は、著作権法で保護の対象とされています。
ですから、ゲーム製作会社の許可なくゲームプレイ動画をネット上に投稿するなどした場合には、著作権法違反として処罰されるおそれがあります(10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金。懲役と罰金両方が科せられる場合もあります)。
さらに、民事上も、著作権者であるゲーム製作会社から損害賠償を求められることもあり得るでしょう。発売前に流出した場合、賠償金額(被害額)が高額になることも考えられます」
本多弁護士はこのように述べていた。