ビーズソファ販売の「Yogibo」(ヨギボー)は2月20日、東京・渋谷にある販売店の元店長が女性従業員らの着替えを盗撮したとして逮捕されていたことを発表した。
発表に先立って、元店長が店舗のバックヤードにスマホを設置して、女性らの着替えを撮影しようとする映像が拡散されていた。Yogiboは元店長を昨年12月に解雇し、問題の店舗には簡易更衣室を設置したという。
同社は2月21日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、会社としての責任を「重く受け止めている。あってはならないこと」と答えた。建物の制約上、男女の更衣室を設置することが難しい実情もあるとしながらも「環境整備を続けていきたい」としている。
また、被害者らには精神的なケアを続けているそうだが、ショックを受けて「仕事を続けられない」という従業員もいるという。
●狙われる女性従業員「バ先の同僚がトイレと更衣室に3箇所もカメラを仕掛けていた」
このような「職場の盗撮」をめぐっては、過去にも事件が繰り返されて、逮捕されたり、懲戒処分を受けたりする事態が相次いでいる。
たとえば、2023年9月には、岡山市立の中学校の女性更衣室に盗撮目的でカメラを設置したとして、男性教諭が懲戒免職処分にされている。数年にわたり、勤務校の更衣室やトイレで教諭や生徒の盗撮を繰り返したという。
また、弁護士ドットコムにも、職場で盗撮をした加害者、盗撮された被害者の双方から多数の法律相談が寄せられている。
「バイト先の男女共用ロッカールームで、スマホで盗撮し、ばれました。動画をオンにして棚に設置したところ、最初に来た未成年女性に着替える前に見つかり店長に報告されました」(警察に呼び出されたという男性)
「私が目的だったようでトイレに2箇所と更衣室に1箇所盗撮機が仕掛けられていた。犯人はバイト先の従業員だということが発覚しています」(アルバイト女性)
昨年新設された「撮影罪」だけでなく、各地の迷惑防止条例違反など、職場の更衣室やトイレにおける盗撮は罪に問われる。また、状況によっては、被害者が管理者である会社側の民事上の責任を問うことも考えられる。