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2020年07月31日 10時37分

健康食品で違法な広告、「依頼主まで摘発は珍しい」とネットで話題に…その理由とは?

健康食品で違法な広告、「依頼主まで摘発は珍しい」とネットで話題に…その理由とは?
画像はイメージです(RUNA / PIXTA)

医薬品として承認されていない健康食品を「肝臓疾患の予防に効果がある」などと宣伝したとして、販売会社の従業員や広告代理店の社長らが医薬品医療機器等法違反(未承認医薬品の広告禁止)の疑いで、このほど大阪府警に逮捕された。

広告を作成した代理店だけでなく、広告を依頼した販売会社も摘発されており、依頼主まで逮捕されるのは珍しいとネットで話題になっている。

今回のケースが珍しいといわれているのはなぜだろうか。広告規制に詳しい成眞海弁護士に聞いた。

●「医薬品のような効果を広告している”食品”」も規制の対象

ーー未承認医薬品の広告禁止とはどのような規制でしょうか

「医薬品医療機器等法は、国の承認を受けていない医薬品の広告を禁止しています。

この『承認を受けていない医薬品』には、実際に医薬品としての効果があるけれども承認を受けていないものだけでなく、医薬品のような効果を広告している食品も含まれます」

ーーなぜ、そのような「食品」も規制されるのでしょうか

「ただの食品を医薬品と勘違いすることで、治るはずの病気が治らなかったり、防げるはずの病気が防げなくなったりすることを防止するためです。

今回のケースでは、健康食品について『肝臓疾患の予防に効果がある』と広告していたようです。これは明らかに『医薬品のような効果を広告している』といえ、医薬品医療機器等法に違反するものです」

●これまでは主に「販売会社自身が広告をしているケース」が摘発を受けていた

ーー広告の依頼主まで逮捕されるのは珍しいとの報道がありました

「これまでは、健康食品の販売会社が自分で運営している広告が摘発されるケースがほとんどでした。販売会社ではなく、広告代理店が運営している広告が摘発を受けるのは、非常に珍しいと思われます。

本来、医薬品医療機器等法では、広告の主体が販売会社でなければならないとは書かれていません。むしろ、広告の主体が誰であっても広く規制対象になるとされています。しかし、実際に摘発を受けるのは、販売会社自身が広告をしているケースばかりでした。

そのためか、最近では、販売会社以外の第三者を広告の運営主体にして、あたかも中立的な第三者の体験談かのような記事風広告にすることで、禁止されているはずの医薬品のような効果を広告する事例が目立つようになりました」

ーー「広告代理店が広告しているケースで摘発を受けること」自体が珍しいのですね

「今回の摘発は、そのような流れに一石を投じるものと言えます。

一方で、むしろ業界的に衝撃を受けているのは広告代理店側だと思われます。今後は広告代理店側でも、法律を遵守した広告になっているかを意識していく必要があるでしょう」

取材協力弁護士

成 眞海弁護士
2011年弁護士登録。東京弁護士会所属。2017年4月から弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所に勤務。医薬品医療機器等法、景品表示法、特定商取引法、医療法などの広告規制に関わる案件を多数取り扱っています。

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