『結婚し独立した弟が1000万円近い借金を作っていました。
銀行やクレジットカード、消費者金融から借りていたようです。私も家庭がありますし、両親は退職しており、借金返済に協力できる余裕はありません。
弟には「親族を頼るな、自分で責任を持ちなさい」と言いましたが、家族には返済に協力する義務はないのでしょうか。弟の奥さん、子どもたちに影響がないかも心配です』
(質問は弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成しました)
A. 小松雅彦弁護士「家族が代わりに返済する義務はありません」
弟が知らぬ間につくった借金を、親や兄弟姉妹などの家族が代わりに返済する義務はありません。
しかし、夫婦間の債務のうち、夫婦生活上の必要性があってできた債務(日常家事債務)は、他の一方も連帯して責任を負うという規定があります(民法761条)。
借金のうち生活必需品や子の養育費など、『日常家事債務』の部分については、弟の奥さんが返済責任を負う可能性があります。
ただし、裁判所は、高額な借金を日常家事債務に含めない傾向にありますので、奥さんがすべてについて責任を負うことはないでしょう。ただちに弁護士に相談するよう、アドバイスをしてください。
弟さんに『親族に迷惑をかけるな、自分で責任を持て』などと言うのは考えものです。借金は犯罪ではありません。弁護士に相談すれば、なんとかなるものです。
多重債務者を救うためにはいろいろな手段があり、弁護士費用を法テラスが立て替えてくれるときもあります。
(弁護士ドットコムライフ)