遺産相続の解決事例
  • 遺産分割

第1順位の相続人が欠格事由に該当する場合への対応

この事例の依頼主 年齢・性別 非公開

相談前の状況 第1順位の相続人が被相続人を殺めてしまい,判決が確定して長期受刑中となったため,被相続人の相続財産について,相続手続(遺産分割)を進めることができませんが,どうしたらよいでしょうかとの相談で始まりました。

解決への流れ 相続人が被相続人を殺めた場合は,民法891条の欠格事由に該当します。本件でも,第1順位の相続人が被相続人の欠格事由に該当し,相続権が剥奪されます。したがって,遺産分割に加える必要はありません。
しかし,遺産分割協議書に基づいて不動産の相続登記をしたり,銀行口座を解約するためには,この遺産分割協議書が相続人全員の合意で作成されたものであることが必要となります。つまり,第1順位の相続人が欠格事由に該当するから相続人にならないことを証明できなければならないのです。
このような場合,欠格者自身が相続欠格証明書を書いてくれれば証明できますが,受刑中でもあり,精神的にも困難と思われました。相続権不存在確認訴訟を提起するにも,抵抗を感じる方は多いでしょう。刑事判決の謄本を取得するのも事実上困難です(被告人又は訴訟関係人に該当するのは難しいでしょう。)。そのため,検察事務官に相続欠格に該当する事項の証明を作成してもらいました。これにより,遺産分割協議書を完成させ,その協議書どおりに遺産分割を実行することができました。

竹本 真紀 弁護士 竹本 真紀 弁護士からのコメント 相続の欠格事由は,相続人に該当しないことは法律で明確にされます。
しかし,これを証明する方法を獲得するのは,実際にはとても大変なことです。被相続人も,欠格対象となる相続人も,遺産分割を行う相続人も,みな血縁関係の深い身近な存在であることが多いです。それぞれの心情を思う余り,お互いの心を乱すことなく,できるだけ穏便に解決できる方法がないかと悩むことになるかと思います。
今回,私が選択した方法は,ネットを検索してもあまり出てこないと思います。私自身も,司法書士事務所の方に教えていただいた資料の中に小さく掲載されていた部分を参考にして,検察事務官の方への相談に辿り着きました。検察事務官は,事案を把握すると手続をできるだけ速やかに進めてくれました。
この方法により,欠格事由に該当する相続人の心に負担をかけることなく,遺産分割協議書を作成する相続人側でも配慮をしながら希望の実現につなげることができ,よかったと思っています。

竹本 真紀 弁護士
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