どんな話も否定せず真摯に受け止める。依頼者ファーストの姿勢で身近な法律トラブルを解決
小学生の頃に体験した自白強要
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
きっかけは、小学4年生のときに起こった出来事でした。ある日、学校の窓ガラスが割れるという事件が起こりました。その犯人として私が疑われたんです。窓ガラスが割れた時間帯に近くでボール遊びをしていたのが理由でした。
学校の先生に呼び出されて、「君が割ったんだろう」と詰め寄られました。私は割った覚えがなかったので、「やっていません」と何度も言いました。一旦は解放されましたが、放課後に再び呼び出され、図書準備室という薄暗い部屋に閉じ込められて、再度質問攻めにあいました。
何度聞かれても私はやっていませんし、ガラスが割れる音すら聞いていないため、「知らない」「やってない」を繰り返すことしかできませんでした。すると、先生が激しく机を叩いて「本当のことを言え」と大声を張り上げたんです。私は怖くなり、「割りました」と事実ではないことを言ってしまいました。
その後、家に帰って親に事の顛末を話したところ、親はすぐさま学校に抗議の連絡をして、私への疑いを晴らしてくれました。
そのときに親から教えてもらったのが、弁護士という職業でした。私が経験したような理不尽な出来事から、弱い立場の人を守る弁護士という職業があることを知り、憧れを抱くようになりました。
ーー現在の注力分野と注力している理由を教えてください。
刑事事件、相続、不貞の慰謝料請求を中心とした男女問題に力を注いでいます。これらの問題は身近な法律問題であり、多くの人が直面する可能性のあることから、注力するようになりました。
刑事事件については、弁護士をめざしたきっかけでもある自分自身の経験から強く共感し、力になりたいと感じています。自白を強要されるなど、強い権力と対峙して困っている人を救いたいという思いがあります。
相続や離婚・男女問題に関しては、コミュニケーションを取ることが得意な私の性格に合っていると感じます。一般民事は金銭による解決が多く、ドライな部分がありますが、家事事件はお金では割り切れない問題が含まれています。関係者の感情や価値観、生き方など、個人に密着した考え方に関われるところにやりがいを感じます。
また、これらの分野は問題が解決したときに依頼者から感謝されることも多く、達成感や喜びが大きいことも注力する理由の1つです。
依頼者を信じる姿勢が大切
ーー仕事をするうえで心がけていることを教えてください。
私が一番大切にしているのは、依頼者の話を否定しないことです。以前の事務所での経験が大きく影響しています。
弁護士を始めたばかりの頃、ゴルフ練習場から飛び出たボールが当たって車に傷がついたという事件がありました。練習場はネットで囲まれていましたが、そのネットに小さな穴が開いていたのです。依頼者の主張は、その穴を通ったボールが車を傷つけたというものでした。
当初、私は穴が小さすぎてボールが通るはずがないと考え、依頼者の話を信じることができませんでした。しかし、手続きの途中で防犯カメラの映像が出てきて、ボールが実際にその穴を通過して落ちる様子が確認できました。この出来事を通じて、依頼者の話を真摯に受け止めることの重要性を学びました。
上司からは、「人はそれぞれ異なる経験を持っているから、自分の物差しで測ることなく、依頼者の言葉を全て信じる姿勢が必要だ」と教えられました。それ以来、私の考え方は大きく変わりました。
弁護士の仕事は、依頼者との信頼関係が重要です。その信頼関係を損なわないように、依頼者の言葉一つひとつを丁寧に聞き取り、自分の中で理解を深める努力を惜しまないように心がけています。
ーーこれまでの活動で印象に残っている事件を教えてください。
夫に浮気された妻の離婚事件が印象に残っています。
依頼者である妻は夫に対して激しい怒りを覚え、すぐにでも離婚したいと望んでいました。しかし、身体に障害があり、仕事をしていなかったため、離婚後の生活に不安がありました。そこで私は、すぐに離婚をするのではなく、依頼者が経済的に自立できるようになるまで、生活費を一定期間保障してもらう方向で交渉することを提案しました。
当初、依頼者の要求額は10億円でした。もちろん、常識の範囲を大きく超えるそのような要求が通るわけはありません。しかし、依頼者が受けた悲しみや怒りはそれくらい大きいのだと受け止め、相手方や調停委員にその思いを伝えました。
最終的に、10年間分の生活費を支払ってもうらう内容で解決できました。離婚後に元配偶者の生活を一時的に支援する「扶養的財産分与」は3年から5年が一般的です。10年分が認められたのはかなり異例だと思います。
依頼者の気持ちを受け止め、依頼者第一の姿勢で交渉を続けた結果だと思います。依頼者が受けた悲しみが消えるわけではありませんが、未来につながる解決ができたことと、心の重荷を少しでも軽くできたことが嬉しく、印象に残っています。
幅広い分野に対応できるゼネラリストを目指す
ーー趣味や休日の過ごし方を教えてください。
休日は主に娘と過ごしています。まだ幼いので遠出は難しいですが、近所の公園で遊んだり、家の中で一緒に駆け回ったりして楽しんでいます。
また、ゴルフが趣味で、同僚の弁護士や学生時代の友人と一緒にプレーすることもあります。いまはゴルフをすることが一番のストレス解消法です。
ーー今後の展望を教えてください。
いまの事務所を、誰もが気軽に訪れることができる場所にしたいと考えています。敷居が高くなく、信頼感や安心感が伝わる事務所を目指しています。
分野に関しては、現在注力している刑事事件、相続、離婚などの分野で経験を積み重ね、将来的には幅広い分野で依頼者に的確なサポートを提供できる体制を整えたいと思っています。
私はゼネラリストを目指しており、特定の分野に絞ることなく、どんな相談にも適切な方向性を示せる頼りがいのある存在になりたいと考えています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えている方へメッセージをお願いします。
法律問題が生じた際には、早めに弁護士に相談することが重要です。「これは弁護士に相談することじゃないかな」と迷ったり、「まだ相談しなくてもいいかな」と後回しにすると、問題が複雑化して解決が難しくなることもあります。
私たちは親身にお話を伺い、皆様の法的な問題に対して適切なアドバイスや解決策を提案します。どんな些細なことでもかまいませんので、お気軽にお問い合わせください。法律問題でなくても、お困りのことがあればまず連絡していただけるような、安心して相談できる窓口を提供したいと考えています。