「弱い立場に置かれる人たちを助けたい」学生時代の思いを原点に、労働問題に注力
高校で学んだ公害問題がきっかけで人権問題に関心を持つ
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
高校生の現代社会の授業で、水俣病などの公害に苦しむ人たちの写真を見て衝撃を受け、将来は社会的に虐げられ、弱い立場に追い込まれている人を助ける仕事に就きたいと考えたことが最初のきっかけです。
大学では社会問題や人権問題を考えるゼミに入り、報道によるプライバシー侵害や、過労死の問題など、さまざまな人権問題について学びました。ゼミでは中国や香港を訪れ、海外の人権問題についても知見を深めることができました。
こうした経験を積む中で弁護士になりたいという思いが強くなり、真剣に司法試験を目指してみようと決意しました。
弱い立場に置かれている労働者を助けたい
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
労働問題、中でも労災や過労死の問題に注力しています。大学のころから、使用者との関係で弱い立場に置かれている労働者を助けたいと考えていたからです。
もともと大学からゼミを通じて、具体的な判例を題材に労働法を深く学んできました。司法試験でも労働法を選択科目にしていたので、このときに学んだことを実務で活かしていきたいという思いもあります。
ーー仕事をする上で心がけていることは何ですか。
ひとつひとつの案件について、依頼者の希望を叶え、権利を実現することを目指して全力を尽くすことです。
また、日々アップデートされる最新の実務のノウハウや判例などの知識を得ることも怠りません。弁護士同士の勉強会に参加したりして、貪欲に吸収しています。
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
若手の頃に関わった、圏央道の建設計画の中止を求める行政訴訟が印象に残っています。
日本の行政訴訟において、原告(住民側)が勝つ確率は、諸外国に比べて非常に低いのが現状です。
私のほかに10人ほどの弁護士と弁護団を組んで取り組みました。私が担当したのは、圏央道ができたら生じるであろう騒音被害の予測と主張立証です。環境基準を超える騒音が発生するおそれがあることを丹念に主張したところ、裁判官にもその主張を認めてもらえ、(もちろん私ひとりの力ではありませんが)1審では勝訴判決を勝ち取ることができました。
最終的には高裁で敗訴したので事業自体を止めることができず、悔しい思いをしましたが、勝ち目が低いとされる行政訴訟において一定の成果を出すことができたことは、私にとっては非常に大きな経験でした。
法律問題は病気と同じ。早めの相談が早期解決につながります。
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
コロナ禍で外に出歩く機会が少ないので、休日は家で本を読みながらゆっくり過ごしています。妻と一緒に買い物に出かけたり、将棋のテレビ番組を見たり、片付けをしたりすることもあります。
鉄道旅行が好きで、コロナ禍前にはよく鉄道で出かけていました。思い出に残っているのは、日帰りだと青梅線や箱根登山電車、泊まりでは千葉の銚子電鉄や小湊鉄道ですね。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
今は1人で事務所を切り盛りしているので、対応できる業務にも限界がありますが、将来的には、より力をつけて事務所の拡大も考えていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
困ったら早めにご相談ください。医療に例えると、早期の治療が早期回復につながります。弁護士への相談も似ていて、トラブルになりかけの早い段階で対処すれば、トラブルが大きくなる前に早期解決できる可能性が高くなります。弁護士は敷居が高いと思わずに、できるだけ早くご相談ください。