草薙 一郎 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は子どもの頃に玉川学園に通わせてもらっていました。大学まである学校なのでそのまま大学に進み、実家のパン屋を継ぐつもりでいました。ところが中学2年生の時、実家がパン屋から貸しビル業になりました。
そこで私は貸しビル業を継ぐと考え、そのためには法学部に進み法律を勉強しなければならないと思いました。玉川大学には法学部がなかったので、法学部に行くとしたら有名な大学に行きたいと思い、当時中央大学が司法試験で東大より合格者数が多かったので、中央大学に行こうと思いました。その次にどうしたら中央大学に入れるか考え、附属高校に入ろうと思いました。
受験勉強をし、中央大学の附属の高校に合格し、運動部で頑張りながら法学部に推薦されました。法学部に入ると、皆口を揃えて司法試験と言っていました。今は予備校がありますが、私たちの時代には予備校がまだほとんどありませんから中央大学の中でも研究室に入らないと司法試験には受からないと言われていました。倍率20倍や30倍という研究室を有名な高校を出た周りの人たちが受けていました。
2年生の夏にみんなが受けて落ちるなら試しに受けてみるか、と思い、夏休みに勉強してみるとたまたま受かってしまいました。家が貸しビル業で経済的に恵まれていたので、そのうち司法試験に受かるのかなと思っていました。司法試験には択一試験と論文試験と口述試験とありましたが択一試験は受かり出してきていました。
すぐに全て受かるかと思いきや、なかなか受からない、それでやめられなくなってしまいました。26歳の時に択一試験に落ちまして、その時に父が糖尿病で倒れてしまいました。さすがに遊んでいられないと思い、心を入れ替えて勉強しました。そして28歳の時に司法試験に合格しました。
また、代々続いた一族の跡取りでもありますし、ビルも守っていかないとならないので転勤ができないということもあり、裁判官や検察官ではなく弁護士になりました。
弁護士になってからの仕事内容
弁護士になってよかったと思います。弁護士になっても生活が大変だという人もいます。都内で弁護士をしていてもコネがないとお客さんもつきません。私も弁護士になって5年間は都内で勤務弁護士をやっていましたが、私の場合は1年目からお客さんがついていました。
私は地元の町田で地主同士の繋がりがあったことや、父が商工会議所の役員だったことから、弁護士になった当初から地元では比較的知られていました。そういったことがあり1年目から多くの仕事がありました。
その後、独立する時になり当時の事務所のボスが病気で弁護士業務が出来ない状態にありました。当時のボスは千葉県医師会の顧問をやっていたことから医師会から私を後継の顧問に、という指名がきました。また、医師会の顧問には保険会社の顧問がなることが多いのですが、ボスが顧問をやっていた保険会社の町田支店の貸主が私の妻の実家でした。そういったことがあり、妻と相談し医師会、保険会社の顧問を引き受けました。
弁護士になって8年目ぐらいの時に、修習先(名古屋)の先生から農協から私に話があると言われました。そして農協(JA全中)から資産管理の雑誌の連載を頼まれ、当時は何故農協が資産管理なのかわからなかったのですが、引き受けました。
1年間連載をやった後、全中から土地活用のセクションの顧問を依頼され、引き受けました。全中が顧問の話をもってくるまでの間に何故その話がきたのかわかりました。農協の組合員は土地を持っています。私の親戚の方々も農協に土地を管理してもらっていました。
そうして私が弁護士として仕事をしていくうちに、私の親戚に農協の組合員が多くいるじゃないか、というように注目されまして、全中のまちづくり情報センターという資産管理のセクションの顧問をすることになりました。そういったことがあり、一生懸命仕事をしていたら仕事がきた、元々持っていた地縁関係等があったことで恵まれた環境があり、その中で努力をしてきたということがあります。
休日の過ごし方
土日も仕事をしています。土曜日は病院の打ち合わせで千葉などに行き、日曜日は事務所で打ち合わせをしつつ、書き物をしています。また、町田市の法律相談、町田市の都市計画審議会委員、町田市の建築審査会委員、法務大臣の委嘱で人権擁護委員などのボランティアの仕事も多くしています。玉川大学の顧問なので週2回玉川大学に行っています。
そういった仕事の合間に打ち合わせを入れたり、書き物をやったり、法廷に行くのでゆっくり休む時間がないため、休日も仕事をしています。
弁護士としての信条・ポリシー
できるだけ早く事件を処理してあげること、依頼者との連絡を密に取ることです。
依頼者に対して気をつけていること
依頼者との連絡を密に取ることで依頼者との信頼関係を継続することを重視しています。裁判をやった時に書面の写しを送り、次回の裁判の連絡をすることなどが絶対に必要であると思います。一番大事なことは事件のどういうことが問題になっているか、どのように主張を相手がしているかをちゃんと依頼者に教えてあげることです。
関心のある分野
今取り扱っている分野は医師会の顧問なので医者側の医療事件と農協関係もやっているので農地や賃貸の売買、相続、後は保険会社の関係で交通事故の賠償論が多いです。
今後の弁護士業界の動向
弁護士は最後はキャラクターであると思います。能力がない弁護士は仕方がないですが、一生懸命仕事をしているかどうか、事件の筋道などをはっきりと言えるかどうかというところが重要であると思います。
依頼者にとっては「何をすればいいか、何が問題なのか、どういう証拠が必要なのか」ということが聞きたいことです。その時にただ証拠を探してきてくださいというだけでは依頼者はわかりません。具体的に何が必要な証拠なのかの説明ができることが重要になります。そのためには経験が必要になります。
今の若い弁護士はすぐに独立しますが、経験がなければ良いアドバイスができません。例えば相続の分野は登記や税金や人間関係を把握しなければならないのですが、こういった知識は経験からしか得ることができません。
そのためには何年もボス弁の元で修行をしなければならないのですが、今の若い人たちは将来への不安からすぐに共同で独立をしてしまい、そうなるとミスも増えてしまいます。教えてくれる人がいないのに独立してしまうため経験が少ないということが問題であると思います。
その他特記事項や伝えたいこと
私は私の顧問先、知りあい等からの依頼や紹介でないと事件は一切受けません。