子ども問題をライフワークとして、離婚問題から少年事件、いじめ問題まで幅広い事件に注力
法曹漫画の名作『家裁の人』にあこがれて
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
小学生の頃に『家裁の人』という漫画を読んだことがきっかけです。家庭裁判所の裁判官が事件を解決する姿や、裁判官との関わりを通じて非行少年が成長する姿を見て、法曹という仕事に興味を持ちました。
『家裁の人』の主人公のように、少年事件を担当する裁判官になりたいと考えたこともありましたが、司法修習で少年事件に関わった際に、裁判官よりも弁護士のほうが少年に寄り添った活動ができると感じ、弁護士になることを決めました。
ーー現在の注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
離婚と相続の依頼が多く、自然と注力するようになりました。離婚案件は比較的女性の依頼者が多いです。同性の弁護士のほうが話しやすいと考える方が多いのかもしれません。
離婚案件に関しては、私自身が結婚や出産を経験したことによって、理解度が高まったように思います。夫婦の問題や子どものことなど、依頼者の話に共感できることが増え、弁護士になったばかりの頃よりも寄り添った対応ができるようになりました。
ーー仕事をする上で心掛けていることを教えてください。
依頼者の不利益にならない選択肢を、可能な限り示すことが大事だと思っています。
法律上、依頼者の希望を実現するのが難しい事案もあります。そのようなときに甘い見通しを伝えるのではなく、正確な情報を伝えた上で、少しでも依頼者の希望に近づけるような選択肢を用意します。それが結果的に、依頼者の利益を守ることに繋がると考えています。
「子どもたちの力に」いじめ問題や少年事件に取り組む
ーー子どものいじめ問題にも積極的に取り組まれているそうですね。
少年事件への関心が弁護士を目指したきっかけでしたので、弁護士登録後すぐに弁護士会の「子どもの権利委員会」に所属しました。
はじめは少年事件に注力していたのですが、「いじめ防止対策推進法」が施行されて以降、「いじめの第三者委員会」を設置する自治体が全国的に増え、私が所属する委員会にも参加の要請が来たことから、調査員として関わるようになりました。
調査員の活動は、いじめに遭った児童やいじめた側の児童、教員や保護者に聴き取り調査を行い、いじめが起きた原因や再発防止への改善策を提言します。
子どもの権利委員会の活動として、近隣の小・中学校に行き「いじめの予防授業」を行うこともあります。「なぜいじめが起こるのか」「いじめによってどんなことが起こるのか」など、事例を交えながら話して、子どもたちにいじめについて考えてもらっています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だったことはありますか?
担当した少年事件の中に1件だけ、少年院送致の処分が下された事件がありました。少年院は重大な非行をしたり、非行を繰り返している少年が入るケースが多く、少年院送致処分を受けるのは、少年事件全体のわずか数パーセントと決して多くはありません。
懸命に活動したにもかかわらず、少年院行きを防げなかったことに力不足を痛感しました。しかし、しばらくして少年院に収容された少年から手紙が届いたのです。手紙には、私への感謝の言葉や少年自身の思いが書かれていました。
少年が悲観することなく、更生に向けて前に進もうとしていることがわかり、自分の活動は無駄ではなかったのだと思うことができました。非行をする子どもには何かしら理由があります。今後も一人一人の子どもと向き合い、力になりたいと思っています。
子どもに関わる取り組みがライフワーク
ーー趣味や休日の過ごし方を教えてください。
休日は子どもと一緒に買い物したり、公園に行って遊んだりしています。子どもがまだ幼いため、自分の時間をつくるよりも、子どもの世話に時間をかけることが多いです。いまでも漫画は好きなので、隙間時間に読んでいます。
ーー今度の展望を教えてください。
離婚・男女問題を中心に、相続や刑事事件など幅広く対応し、依頼者の期待に応えていきたいと思っています。
同時に、子どもに関わる活動も積極的に行っていきたいです。いじめ問題や少年事件以外にも、親権争いや両親を亡くした子どもの相続問題、子どもが巻き込まれた交通事故など、子どもが関わる事件はいろいろあります。子どもに関わる問題に取り組むことはライフワークだと思っているので、今後も継続していきたいです。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方に、メッセージをお願いします。
悩みは一人で抱え込みすぎないのが一番だと思います。弁護士に相談すれば解決の糸口が見つかると思いますし、悩みを話して思いを共有すれば気持ちが楽になるはずです。
弁護士に相談することをためらわず、気軽に連絡してください。