- 加害者
- 暴行・傷害
居酒屋で身に覚えのない傷害の疑いをかけられた女性からのご相談
相談前の状況
私の趣味は居酒屋で一人でお酒を飲むことでした。
複数人で飲むのも悪くはありませんが、一人でのんびりアルコールを楽しむのが好きなのです。
ただ、最近になって仕事のストレスからかお酒の量が増えてきました。
そして、酔いつぶれてしまってテーブルで突っ伏してしまい、居酒屋の店員さんに起こされてから家に帰るという事も少なくなくなりました。
「なんとかしなくては」と思っていましたが、意思の力ではどうすることもできず、最近まで居酒屋に通っていました。
ですが、そこでトラブルが起きてしまいました。
いつものように酔いつぶれてしまい目が覚めると、居酒屋の控室のようなところにいました。そこにいたスタッフさんに聞いてみましたが、どうやらスタッフルームだったようです。
「何度起こしても目が覚めなかったので……ただ普段よりもお酒の量は少ないので、単に眠っておられるようなので、私ともう一人のスタッフでこちらまで運ばせていただきました」と、40代くらいの男性の店員さんに言われました。
確かにその頃は忙しくて連日自宅に仕事を持ち込み、睡眠時間が毎日4時間を切るくらいになってしまっていました。
ですから店員さんの言うとおり、単純にとても眠いタイミングでお酒を飲んでしまって、ぐっすり寝てしまったのだと思います。
ただ、その前後の記憶がおぼろげになっていたことは確かですが。
店員さんに平謝りしてスタッフルームから出て、会計を済ませて店の外に出ようとしました。
しかし、そこでいきなり男性の野太い声が響きました
声をあげた大柄な男性が近づいてきて、
「俺はこの女に殴られたんだよ!見ろコレ!」と言って自分の頬を指差しました。
男性の頬を見ると、あまり目立ちませんが青アザができているようでした。
まず、確かに私はこの日も1回はトイレに行きました。
(居酒屋では1回は用を足さないともたないので、これは間違いありません)
言われてみれば、この男性ともすれ違ったような気がします。
(ただ、これについてはあまり自信が持てません)
私は普段から酔った状態で居酒屋のトイレに行きますので、
完全に記憶がしっかりしているわけではありません。
ですから、「男性を殴った」という事を完全に否定できるわけではないのです。
ただ、私は酔うとむしろ口数が減って気が小さくなるタイプですし、
今までの人生で誰かに暴力を振るったことは一度もありません。
自分で言うのもなんですが、普段から大人しいタイプです。
男性が物凄い剣幕で畳みかけてくるので、言葉を失ってしまいましたが、
店員さんに
「もし言い分があるならきちんと伝えたほうが良いのでは……」
と言われたので、私もできるだけ冷静に
「確かに酔った状態で男性とすれ違ったかもしれないが、
それがあなたであるという覚えはない。
そもそも私はお酒に酔ったからといって暴力を振るうような性格ではない」
と主張しました。
ですが、男性に
「酔いつぶれて店員に助けられるような女の言う事なんて信じられるかよ!」
と言われてしまいました。
正直なところ、そこを突かれてしまうと私にもどうにもできませんでした。
そして、そのまま通報されて、傷害罪で逮捕勾留されてしまいました。
繰り返しになりますが私自身、「絶対にやっていない」と断言できるわけではありません。
しかし、私に殴られたと主張する男性も、私が見た限りでは酔っているようであり、あまり発言に信憑性がないようにも思えました。
ですので、弁護士さんの力を借りることにしました。
解決への流れ
弁護士さんに依頼したわけですが、正直なところ
「素直に罪を認めて、反省している事をアピールしたほうが良いですよ」などと言われてしまったらどうしようかと不安でした。
あとは、「示談交渉を目指す」というパターンになるのも嫌だなと考えていました。
ですが、弁護士さんに事のあらましを包み隠さず、嘘をつかずに正直に打ち明けたところ
「証言などを集めて潔白を証明しましょう」という事になりました。
そこからはかなり話がスムーズに進んだような気がします。
弁護士さんが居酒屋の店員さんや、常連さんなどを相手に調査をしたところ、
「男性が千鳥足になっていて、思いきり転倒していた。そのせいでケガをしたのだろう」
という証言が複数得られたそうです。
そのおかげで私はあっさり自由の身になりました。
会社を少し休んでしまいましたが、上司に事情を説明したところ何のペナルティも受けることなく、仕事を続けられることになったので良かったです。
しばらく経ってからネットサーフィンをしていると、
「痴漢免罪で相手女性を訴えた男性」という記事を発見しました。
記事内の男性は名誉棄損で、自分に言いがかりをつけてきた女性を訴えたそうですね。
私もその記事を読んで
「いまだに怒りが収まらないし、男性を訴えようかな」とも思いました。
しかし、数日考えてみましたが、
「時間もお金もかかるからやめよう」と思い直しました。
それに、そもそも私が酔って記憶をなくしていなければ、こんな面倒なことになってはいなかったはずです。
また、相手の男性も酔っていたのだと考えれば、
私の感覚としては「お互い様」と言ったところです。
そう考えると、むしろ「私も同じことをしていてもおかしくなかった」「本当にお酒の影響で他人に暴力を振るう日が来てもおかしくなかった」と思えて、恐ろしくなります。
ですから、今となっては男性のことは全く恨んでいません。
むしろ、これまでの私自身を反省するためのきっかけになったと思っています。
(だからといってさすがに男性に感謝することはありませんが)
現在は禁酒をして、穏やかな生活をしています。
最初のうちは少し辛かったですが、慣れるとやはり快適に過ごせるものなのですね。
※これらの内容は個人を特定できないよう、
相談者の承諾を得て編集し載せております。
澤田 剛司 弁護士からのコメント
勾留された際には、できるだけ迅速に弁護士をつけることが重要です。
状況にもよりますが、一般の方が弁護士を使わずに自力で釈放までこぎつけるのは非常に困難です。
ちなみに依頼者様はそのようには考えておられないようでしたが、
「酒に酔っている状態での犯行については罪が軽くなる」
などという事はまずあり得ません。
むしろ「酒の影響で暴行をしてしまいました」などと主張すると、
「反省の色がない」と判断されて不利になる可能性があるのでご注意ください。
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