依頼者の伴走者として、最善のゴールを目指し全力でサポート〜先例のない案件にも果敢に取り組む
ゼミの授業を通じて法律の面白さに気づく。「勉強しがいのある素晴らしい学問」
ーー弁護士を目指した経緯を教えてください。
法律に関わる仕事に就きたいと思い始めたのは、大学2年生の頃です。はっきりとした目的や将来設計を持たず法学部に入学したのですが、2年生のときに入ったゼミの授業がとても面白くて、法律を学ぶ楽しさを初めて実感しました。
こんなに奥深い学問の勉強を、あと2年で終えてしまうのはもったいないと思いました。より深く、長期的に法律を学び続けたいという気持ちが芽生え、そしていつしか、司法試験に挑戦して法曹の職に就くことを意識するようになりました。
最終的に法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)から弁護士を選んだのは、司法修習生のときです。仕事の裁量性の高さと、依頼者1人ひとりの利益をとことん追及できる、職人的な側面に魅力を感じたことが決め手になりました。
ーー学生時代に野上先生が感じた「法律を学ぶ楽しさ」とはなんですか。
繊細なバランス感覚を求められるところです。法律トラブルの解決には、教科書的な理屈やルールを当てはめるだけでは不十分で、当事者の性格や感情、生活実態などを汲みながら、現実世界に照らして妥当な結論を導き出すことが大切です。視野を広く持ち、最良の落としどころを見つけることが求められます。難しくも興味深く、勉強し甲斐のあるすばらしい学問だと思います。
再生可能エネルギー事業の伴走者として
ーー現在の注力分野と、具体的な仕事内容を教えてください。
再生可能エネルギーに関する行政事件に注力しています。
一例を挙げますと、発電事業会社が、ある農地の上に太陽光パネルの設置を計画したとします。「ソーラーシェアリング」と呼ばれる形態です。ソーラーシェアリングで太陽光パネルを設置するには、農地を農地以外の用途に使用する「農地転用許可」をとる必要があります。現時点では農林水産省の通達(解釈)によって法的仕組みが作られている分野ですので、農業委員会などの行政庁との間で争いが生じることがあります。そのような中で、無事に太陽光パネルを設置できるよう発電事業会社と伴走することが、私の主な役割です。
比較的新しい分野であるため、裁判例の件数や先行研究が少ないことが特徴です。他の分野であれば、膨大な過去の判例や関連書籍などを参考にできるのですが、再生可能エネルギーに関してはそれが難しく、限られた情報を手がかりに各種手続きや裁判の準備をしなくてはなりません。楽ではありませんが、学びが多く、やりがいのある仕事です。
ーー仕事をする上で心掛けていることはありますか。
依頼者と綿密なコミュニケーションをとることです。事件対応にあたって依頼者が感じる「なぜ?」や「どうやって?」といった疑問がすべてクリアになるように、時間をかけて説明しています。
また、私自身はあくまで法律の専門家で、再生可能エネルギーや発電関係の専門家ではないため、依頼者から業界の最新情報を教わって勉強することもしょっちゅうです。わからないことがあれば私からも細かく質問しています。お互いの認識を揃えることで、より良い解決につながると考えています。
未知の分野にこそ、やりがいを感じる
ーー弁護士として活動してきたなかで、大きな成果を上げられた事件や、印象に残っているエピソードなどはありますか。
いま注力している再生可能エネルギー関連事件のように、裁判件数や先行研究が少ない分野の事件に取り組み、勝訴判決を得たことがあります。その判決が当該分野における画期的な先例となり、多くの法曹関係者の関心を集めました。
裁判中は苦労の連続でしたが、私の努力と工夫が、今後同じ分野に取り組む弁護士にとって貴重な手がかりになるのだと思うと誇らしかったです。
ーーご自身の弁護士としての長所や強みはどんなところだと思いますか。
チャレンジ精神が旺盛なところでしょうか。その時々の業務量や忙しさにもよりますが、基本的には、取り扱う事件の分野は限定していません。「この分野はあまり詳しくないから断ろう」とは考えず、「詳しくないならとことん勉強しよう」と挑戦するタイプです。前向きな性格は私の武器だと思います。
ーーどんなときに仕事のやりがいを感じますか。
事件が終了して、依頼者からあたたかい言葉をかけてもらえたときです。依頼者の要望に充分応えられた事件だけでなく、応えきれなかった事件でも「結果には納得しています。懸命に対応してくださりありがとうございます」と言ってもらえることがあり、そんなときは胸がいっぱいになります。
ーー結果ではなく、「いまできることをすべてやった」という過程を評価してもらえたということでしょうか。
そうだと思います。希望を叶えることが難しい旨を依頼者に説明し、承知してもらった上で受任した事件もありますし、相手方との交渉の末にこちらの要望を諦めざるを得なかった事件もありますが、いずれにせよ、依頼者の理想を100パーセントは満たせていないわけです。
それにもかかわらず感謝してもらえるなんて、本当に得難いことだと思います。すべての事件、すべての依頼者に対して誠実に向き合い続けなければと、身が引き締まります。
行政事件の潜在ニーズをキャッチし、問題解決の力になりたい
ーープライベートについてお伺いします。休日はどんなふうに過ごしていますか。
プロ野球が好きなので、自宅や球場で試合観戦を楽しんでいます。ドライブや音楽鑑賞で気分転換することもあります。
忙しくて気持ちに余裕がなかったり、気がかりな事件があったりすると、休日でも頭が仕事モードのままになりがちです。長く健康的に仕事を続けるにはメリハリが欠かせませんから、休日はできるかぎり好きなことをして自分を労わるようにしています。
ーーこれから新たに取り組んでみたい分野や、挑戦したいことはありますか。
引き続き、再生可能エネルギー事業をはじめとする行政事件に積極的に取り組んでいきたいです。行政事件は統計上の裁判件数が少なく、そもそも当事者が裁判という手段にたどりついていないケースが多いのではないかと感じています。潜在的なニーズをキャッチし、解決に向けたアドバイスを提示できればと思っています。
ーー現在法律トラブルを抱えて悩んでいる方や、弁護士を探している方に向けてメッセージをお願いします。
いま抱えている悩みがそもそも法律に関するトラブルなのか、弁護士以外の専門家に相談するべき話なのか、という段階から確かめる必要があります。あまり身構えず、早めにご相談ください。一緒にベストな解決策を見つけましょう。
弁護士選びで何よりも重要なのは相性です。何人かの弁護士と直接話してみて、信頼できる相手かどうかを確かめてみてください。自分との相性の良さを大切にしながら探せば、あなたの悩みを安心して託すことができる弁護士にきっと出会えると思いますよ。