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収入が算定不能なので休業損害は最低額しか出せないという相手方保険会社に対し、収入の算定方法を複数提示して示談交渉を行い、適切な金額を獲得した事例
相談前の状況
依頼者が信号待ちで停車中、前方不注視の加害者が後方から追突。
依頼者は運送トラックであり、加害者は普通乗用車の事故。
幸い怪我は重傷ではありませんでした。
依頼者は、約8か月間の治療ののち、症状固定と診断されました。
自営業のため、痛みが残るなか事故後も仕事を続けていましたが、収入は激減。
示談の段階になり、相手方保険会社から「収入が算定不能なので、休業損害は最低額しか出せない」と言われ、相談に来られました。
■事故態様
(加害者)車 対 車(被害者)
解決への流れ
当事務所では、自営業の場合における収入の算定方法を複数提示し、依頼者のためにもっとも有利になる方法で示談交渉を行いました。
その結果、総額で約75万円の増額に成功しました。
常世 紗雪 弁護士からのコメント
本件は、治療終了後、保険会社による事前認定によって、後遺障害等級併合14級が既に認定されていました。
しかし、示談金交渉の段階になって、金額で鋭く対立。
自分ではわけがわからなくなってしまった依頼者のため、弁護士が介入しました。
弁護士は、依頼者の仕事の実態について丁寧に打合せを重ね、実態にあった収入計算方法を選択。
これをもとに休業損害、逸失利益の交渉を行い、当初提案よりも増額した形で示談することができました。
■自営業者の収入と休業損害・逸失利益
会社員のような給与所得者の場合、休業損害の計算は難しくありません。
事故前3か月の給与明細をもとに、1日あたりの基礎収入(1日分の休業損害)を割り出し、休んだ日数を掛けて計算すればよいからです。
一方で、自営業者の方は、毎月安定した収入があるとは限りません。
そこで、事故前年の1年分の所得を、365日で割って基礎収入を計算する方法があります。
このとき、1年分の所得を証明する資料は、確定申告書の控えとなります。
したがって、きちんと実態に見合った所得を申告していれば問題ないのですが、実際の収入よりも低く申告していたり、まったく申告していないような方もいます。
納税は国民の義務ですから、きちんと税金を支払っていない人が悪い…とも言えますが、交通事故の被害者となったときの補償がまったくなされないというのは、あまりにも酷です。
そこで、何らかの方法で所得を計算したり、推定したりしよう、という方針をとることがあります。
本件の依頼者は、まったく確定申告をしていませんでした。
このため、相手方保険会社からは、休業損害は1日あたり5700円(自賠責の基準)しか支払えません、と言われていました。
そこで、弁護士は、依頼者から資料を取り寄せ、数百枚に及ぶ前年1年分の伝票と領収証から、現実の手取り額を計算しました。
しかし、その結果、なんと1日あたりの基礎収入が5700円を下回ってしまったのです。
このため、この計算方法を使うことはできません。
最終的には、方法を変えて、統計上の平均所得(賃金センサス)を使用して、「少なくとも平均の◯割くらいの収入はあるはずだ」という主張を行うことにしました。
このような主張は、保険会社によっては全く取り合わない場合もあるのですが、本件については、うまく交渉をまとめることができました。
同じように、後遺障害による逸失利益も所得を前提に計算を行いますから、休業損害における主張をそのまま用い、交渉を成功させることができました。
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