山田 勝一郎 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は、大学卒業後2年間、日本銀行に勤めていました。当時は、在学の夏に就職活動をし、秋に司法試験の合格発表がされていたので、司法試験に合格した時には、既に日銀に内定しており、すっかり日銀に行く気になっていたのです。
しかし、実際に、入行してみると、中央銀行の仕事は厳しく、深夜まで残業、早朝から仕事で、いつのまにか、目前の仕事と弁護士の資格を比べるようになっており、「これではいけない」と思い、退職したのです。逃避というほかなく、恥ずかしながら、何か高い志があって、弁護士になったとは言えません。
学生時代
芝居のサークルに所属し、学内の劇場で、前衛劇の上演をしていました。役者や照明、プロデューサーなどをしたことはよい思い出です。芝居の活動がキッカケで、歌舞伎、文楽、お能を見るようになり、これらが、なまなかな前衛劇より、はるかに前衛であることに驚き、今の趣味につながっています。
司法試験の勉強で工夫したこと
司法試験の特徴は、量が多いことであり、手を広げず、いかに集約してゆくかが重要です。この集約するという作業が受験勉強のすべてだ、と言ってもいいくらいです。
信用できる基本書を決め、不足部分は書き込みをし、ラインマーカーで着色して、仕上げていきます。繰り返し読んで、頭の中でページがめくれるくらいにしておかないと、本番の試験では、曖昧な知識は、蒸発して使い物になりません。
司法試験のための勉強と実務に差はあるか
あります。司法試験は、法の解釈論しか聞いてきません。試験としての正答が存在するので、何をどう書くか、あらかじめ準備することができ、また、そうしなくてはなりません。
実務は、法の解釈では勝負が決まらず、当該事案の行く末を、どの程度見極められるか、が重要です。何かを「する」「しない」のそれぞれに、メリットとリスクがあるため、正答も確定しにくく、むしろ、それぞれのメリットとリスクを正確に予見できる力が大切です。
訴訟の場数を踏むことで、法律相談の回答も、精度が上がってゆくと思います。
司法修習時代の経験や思い出
私は、京都で修習したのですが、京都には、気概を持った「本物の弁護士」が多く、根本から、鍛え直されました。裁判官では、行政法に精通した吉川義春判事から、「着眼大局、着手小局」という教えを受け、今も、心に刻んでいます。
関心のあること
訴訟に勝つ技術です。裁判所に通用しやすいロジックを研究することに関心があります。訴訟では、扱う法規や事実関係は事件ごとに変化しても、その一枚下には、裁判所として共通の、自己矛盾を嫌悪するロジックが通底しています。
このようなロジックを研究して把握し、依頼人の主張を、これにうまく乗せて、法的に構成することが重要です。このことをストレートに書いた本はありませんが、あえて分野付けをすれば、民事の証拠法ということになるでしょうか。
ページを見ている方へのメッセージ
何が、本当に依頼人の利益になるのか、真剣に考え、少しでも、依頼人のお役に立てる弁護士になるために、研鑽を積んでゆきたいと思っています。