たなか かつひろ

田中 克洋 弁護士 プロフィール

所属事務所: 飯沼総合法律事務所
所在地: 東京都 中央区銀座2-7-17 ティファニー銀座ビル7階
銀座一丁目駅徒歩3分
田中 克洋弁護士

インタビュー

田中 克洋 弁護士インタビュー
田中 克洋 弁護士 インタビュー

弁護士を目指したきっかけ

私は大学卒業後4年半ほど銀行に勤めていました。その銀行員時代の話なのですが、とても懇意にしていた取引先があり、私はその取引先に足繁く通い、信頼関係も十分に築けているものと信じていました。

しかし、ある日突然、その取引先が弁護士を代理人とし破産を申立てるということがあったのです。その後、取引先の社長と直接お話をすることはできなくなり、専ら弁護士を介しての事後処理しかできなくなりました。

社長は、当然私より先にその弁護士に内情の相談をしていたのだと思います。確かに私は銀行の人間でしたから、そのような人間に自らの信用状況の悪化について相談することは難しかったのかもしれません。しかし、私を信頼していただき、もっと早くに相談をしてくれていれば、何か他の道があったのではなかったのかと大きなショックを受けました。

当時勤めていた銀行はいい会社でしたが、私個人の問題として、会社名でしか信頼されておらず、私自身は信頼されていなかったのかと反省し、個人で勝負をして本当の意味でお客さんに信頼される立場になりたいと思い、弁護士を目指しました。

ロースクール時代

まず、私は銀行を辞め、旧司法試験での合格を目指しました。そうして勉強を続けているうちに予想以上の急ピッチで司法制度改革が進み、ロースクールができました。

その反面、旧司法試験の合格者数は急激に減っていき、これはまずいということで、言うなれば非常に消極的な気持ちでロースクールに入学をしました。ですから、当初は、あまり授業にも身が入らず、専ら旧司法試験の勉強に力を注いでいました。

しかしながら、ロースクールに入ると5年以内に3回しか司法試験を受験できないという三振制が適用されることになります。私はロースクール入学後一度旧司法試験で失敗してしまったので、残りの2回で合格しなければなりませんでした。そのような状況になってからは、気持ちを切り替え、新司法試験の勉強に打ち込みました。

旧司法試験の勉強をしていた時は基本的に1人だけで勉強をしており、自分の見解を検証する機会があまりありませんでした。ロースクールでは勉強仲間にも恵まれ、切磋琢磨できる環境になったことが大きかったです。

自分では正しいと信じ込んでいた物事であっても、他の人と議論すると、全く違う角度から見えることも多く、自分にとって、ロースクールは、無意識的に固まっていた頭を解してもらえる有益な場であったと思います。

仕事の中で嬉しかったこと

刑事事件で実刑か執行猶予がつくか微妙な事件を受けたことがありました。その裁判では、5人の被告人について同時に裁判手続が行われたのですが、その内の1人だけ私が弁護人になりました。

私が受けた被告人以外の4人は執行猶予がつく見通しであったのですが、私の受けた1人は主犯格であり、また前科があったことなどから、実刑になることも十分想定されました。検察官も私が受けた被告人に対してのみ実刑が相当であるという求刑をしてくるなど、予断を許さない状況でした。

私は田舎から被告人のお母さんを呼び寄せ、今までどのように息子さんと向き合ってきたのか、あるいは今後どのように息子さんを更生させるのかといったことを時間をかけて話し合い、実際に法廷でもお母さんにそういったことを証言してもらい、必ず息子を更生させると約束していただきました。

また、被告人と接見し、何故このような過ちを犯したのかといったことをよく話し合い、その結果、被告人は自分と向き合い、謝罪文を書くなどしてくれたので、私はその謝罪文を裁判所に提出しました。このような活動が実を結んだのか、判決には執行猶予が付きました。

判決言い渡しの際は、本人も諦めていたのか、私のところに駆け寄ってきて法廷の中で握手をしたりしました。その後半年ぐらい経ってから、本人から「先生のおかげで無事に就職もできました、本当に感謝しています。有難うございました」という内容の手紙が届きました。

その手紙を読んだとき、彼はきっと更生できると確信しました。僭越ながらも、自分が、一人の人間が人生を立て直す場面に立ち会い、微力ながら手助けをできたのかもしれないと実感し、それは非常に感動しましたね。

銀行員時代は仕事をして御礼をするのは基本的にこちら側の役割でした。お客さんに多少無理なお願いをし、こちらが有難うございましたと頭を下げることも少なからずありました。

弁護士になって自分が取り組んだ仕事の結果に対し、有難うと言っていただけたことが非常に新鮮で感動しました。

弁護士になって大変だと感じること

一番初めに弁護士になろうと思ったことと繋がるのですが、弁護士は基本的には個人の名前で仕事をします。例えばお客さんから相談を寄せられ、ある問題についての見解を求められた時には「弁護士田中克洋」として回答をします。

会社員であれば対外的に意見表明する際は稟議や決裁をとり、組織として見解をまとめてから、組織の名と責任において意見表明をします。しかし、弁護士は違います。勿論先輩弁護士らとの相談もよくしますが、基本的には、自分個人の名と責任において意見表明をすることが一般的です。私の意見により会社が動いてしまうことも有り得ます。

間違いなどは論外なのですが、万が一、自分の意見よりもお客さんにとっての望ましい選択肢があったらどうするのかといったことも考えます。お客さんからすれば、相談した弁護士の経験が少ないとか、たまたまその分野は得意ではないとかそういったことは全く関係がないことであり、当然のことながら、申し訳ありませんでは済まされることなどありません。

そういった意味で、自分の言動の及ぼす影響が大きく、これは非常に遣り甲斐のある反面,責任が重く、大変であるとも感じています。

仕事をする上で意識していること

私は、銀行員時代は基本的にお客さんの要望を極力受け入れることがサービスであると考えていました。お客さんの意向は、極力そのままの形で実現させてあげることが、良いサービスであると考えていました。

弁護士も勿論サービス業なのですが、お客さんの意向が法的に間違っている、あるいは相当ではないと判断すれば、こちらがお客さんを指導するというようなことも有り得ます。時としてお客さんは不快に思われるかもしれません。私より一回りも二回りも年上の方に対し、耳の痛いことを言わなくてはならない場面もあります。

このように、一見、お客さんの意向に沿わないようなことであり、お客さんを不快にさせるようなことであったとしても、弁護士の責任において、それが結果的にはお客さんのためになると信念を持てることは、しっかりと伝えるようにしています。

関心のある分野

私の所属する事務所は法人の案件が8割ほどを占めています。その中でも金融関係が多く、私の前職が銀行員であったこともあり、そのような経験を生かし金融関係の業務については専門性を高めていきたいと考えています。

今後の弁護士業界の動向

業界内の競争が激化するという意味では、確実に厳しくなっていくと思います。私は事務所に入ってから弁護士の採用活動を行ったこともあるのですが、司法修習生が法律事務所に採用されることすら、年を追うごとに厳しくなってきています。

例えば、1人弁護士の募集をかけると200人ぐらいの司法修習生の方が応募をされてきます。さすがに全員とお会いすることもできないので、書面である程度機械的に絞り、その後2、30人程の方と面接や食事の機会を持ち、ようやく採用者を決定するのです。

司法修習生を見ていて、皆さん非常に勉強をされているし、必死であると感じます。そのような意味では、年々危機感は高まっていて、厳しい業界になってきていることは間違いないと思います。

弁護士という立場の希少価値は急速に失われてきており、今後はより専門性を高め、他者と差別化を図れる弁護士になる必要があると思います。例えば同じく専門職である医者であれば、外科医、内科医及び精神科医など特定の分野での専門性を付けなければ生き残れないかと思いますが、弁護士もそうなってきていると思います。ただ、それはサービス業として当然あるべき姿になってきているだけなのかもしれませんね。

人物紹介

所属弁護士会

  • 所属弁護士会
    第一東京弁護士会
  • 弁護士登録年
    2009年

よくある質問

田中 克洋 弁護士の事務所へのアクセス方法は?
田中 克洋 弁護士の事務所へのアクセス方法は、
【所属事務所】
飯沼総合法律事務所

【所在地】
東京都 中央区銀座2-7-17 ティファニー銀座ビル7階

【最寄り駅】
銀座駅A13出口から徒歩2分

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