家本 誠 弁護士
破産申立手続きの準備 私が依頼を受けたケースでは、前述した費用の目処がなんとか立ちましたので、申し立てに向けた具体的な準備を進めることができました。ただ代表者が会社には、まだ多くの仕掛品が残っているので、これを完成させて、少しでも債権者の方に返済できる金額を増やしたいという強い思いがありました。通常破産手続をとる旨を債権者に通知した後(このような通知を受任通知などと言います)は、それまでの企業としての活動を停止するのが一般的だと思います。しかし代表者の前述した思いが非常に強かったため、破産をする旨の通知を債権者に連絡する際、自主的に債権者への説明会を早期に行い、当面仕掛かり品の完成に向けた作業を継続することと、それにより少しでも配当が増えることの説明をさせて頂きました。 私は法人の破産をする場合、基本的には債権者に通知をする際、早期に自主的に債権者の方に集まっていただき、謝罪を含め、現状の説明や破産手続をするに至った経緯等の質疑・応答の機会を設けるようにしています。裁判所に破産の申し立てをしてから、第1回の債権者集会までは通常、3ヶ月程度の時間がかかります。この間、代表者の方は自宅に債権者が来られたりすることを非常に心配したりします。そのため早期に債権者の方に代表者が謝罪や説明等をすることにより、このような事態を回避することが可能であると考え、私は、債権者に破産の手続に移行する旨の通知(前述した受任通知)をする際、2週間以内に自主的に債権者の方に集まっていただくことを行っています。実際に多くの代表者の方から、「早めに債権者の方に謝罪や説明をすることができて精神的に気が楽になった。」、「これで自宅で毎日ビクビクしないで過ごせます。」、「街中を安心して歩くこともできます。」などということも言われることが多いです。 本件においては、仕掛かり品を完成させたことにより、従前の取引先に以前と同じ金額で商品の購入をして頂いたこともあり、700万円程度の金額を破産管財人に引き継いで破産申し立てを行うことができました。結果(裁判後) 前述したように、破産申立を行う以前に自主的な債権者の集会を行っていたこともあり、破産手続き後の第1回債権者集会においては、債権者から特に質問等をされることなく、円滑に手続が進みました。 代表者としても、仕掛かり品を完成させ、少しでも債権者の方への配当に貢献できたこともあり、安心した様子でした。
製造メーカーの破産 倒産前から事実上倒産の時期について相談にのっていたケースの
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