坂下 裕一 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
当初は単に「自由業」ということで、いいかなと思いました。また、大学に入る直前に体を壊したことがあり、マスコミ等への興味もあったものの、正規の就職をする自信がもてず、モラトリアム(=司法試験の受験期間)が必要だった・・要するに、消極的な動機です。あとは、困っている人に自分が役にたつことがあれば、という程度でしょうか。
司法試験受験中も、刑事事件か何かで依頼者に成果を上げることができたあと、人知れず裁判所を去って行く自分、なんていうのを空想したりしていました(笑)。
実際に働いてみても、基本的に全て自分で時間管理、仕事の選択ができますし、それなりに自分の思い描いた弁護士像をなぞることができていると思います。
今までの経験と現在の仕事内容
一般民事・家事・刑事事件(要するに全般ということ)。企業法務・会社法関連・知財関連はほとんどありません。これには、やはり埼玉という土地柄が大きく関わっています。また最近は離婚DV事件が比較的多いです。裁判員裁判も6件担当しました(最近はあまりたずさわっておりませんが)。
裁判員制度について
裁判員の存在により、裁判そのものが大きく変わってきています。裁判官の意識も変わったのではないかと思います。市民の目があることで、とにかくわかりやすく伝えようと努力をするため、かつては見られなかった法曹三者による集まり・検討会等も増えてきたように思います。
一般の事件にも影響がないとは言えません。かつては検察官が手持ちの証拠の中で、都合の悪いものは出さない、という手法がまかり通っていましたが、最近では裁判員裁判のみならず一般の事件においても証拠開示の機会が増えてきたように感じています。
もちろん、裁判員制度には、量刑の問題等様々な問題点もあるとは思います(もっとも、事件の種類によっては、量刑がより適正な方向に向かっている部分もあるのかも知れません)。ただ、刑事裁判のあり方に一石を投じたことは間違いないと思われます。
仕事をする上で意識していること(弁護士としての信条・ポリシー)
相談者・依頼者にわかりやすい話をし、わかりやすい事件対応をすること。弁護士は専門用語に慣れ親しんでしまっており、我々の予想だにしないところが理解してもらえないことも多々あります。相談者の方の理解は、わからない言葉が出た時点でストップしてしまいがち(その後の説明の意味合いが薄くなってしまう)ですので、これは常に意識していないといけないなと感じています。
そして、相談者・依頼者の心情をできるかぎり汲み取り尊重すること、その個人としてのあり方を尊重すること。話を聞き、事務的に「これはできる、これはできない」という対応ではいけません。せっかく勇気を出して相談に来て下さっているのですから、弁護士としてはもちろん、1人の人間としての誠実な対応を心がけています。
もちろんいずれも、言葉の通りに実践するのはなかなか難しいのですが。
関心のある分野
(精通しているということではなく、あくまでも関心があるということで)離婚DV事件に関連して、DV被害者支援のための法制・さまざまな枠組みについてです。
最近相談される案件が増えていますし、相談者の絶対数も増加しているのではと思います。これらの事件に関しては、例えば国際結婚で、コミュニケーションが上手くいっていない場合など、ご本人が過ごしてきた状況が不安定なものであることも少なくありません。
また、度重なる暴力や暴言により、精神的なダメージを受け、自分に自信が持てず、自己評価が低い状態で相談にこられる方も多く、そういう場合には、弁護士がかけた言葉が二次被害につながってしまうこともあります。丁寧に扱うべきデリケートな部分が必然的に多くなるので、細やかな配慮の必要性を痛感しています(時に、相談者の方自身にも、乗り越えていけるようなメンタリティを育んで頂きたいと、自信を持てるよう促す言葉をかけることも意識しています)。
全く違う話ですが、マンション管理の分野にも興味を持っており、その関係の相談や案件を受けることも時々あります。
あとは、自分のルーツが福島県浜通り地方にあるので、原発事故の賠償問題にも関心を持っています。埼玉県へ避難されてきている方も大勢いらっしゃいますから、その方々の役に立てることがあれば、と考えています。
ページを見ている方へのメッセージ
我々弁護士がどうにかしなければならない問題ではあるのですが、躊躇せずにアクセスして欲しいです。「こんなこと訊いても仕方ないんじゃないか・・・」と思わず、まずは話してみてください。病気と一緒で、早めに相談しないと、話がどんどんこじれてしまう場合も多々あります。