道路脇の側溝の中に入って、女性のスカートの中をのぞき見ようとした神戸市の会社員男性(28)が11月上旬、兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで兵庫県警に逮捕され、大きな話題になった。男性は2013年にも側溝からのぞき見で逮捕され、「生まれ変わったら道になりたい」との「珍供述」を残したと報じられている。
週刊ポストは、男性の母親の話を紹介。母親は「息子は小さいころから側溝や狭いところに入り込んで遊ぶのが好きで、中学生になっても続いていました」として、「側溝への興味がまずあって、性的な興味はその後に生まれた」と説明していたという。
本当にそうなのかどうかは分からないが、もしのぞきなどの迷惑行為をせず、単にアブノーマルな趣味として、側溝の中に入る場合、何か法的な問題はあるのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。
●「水路の流通を妨げるような行為をした者」
「雑誌の記事を読んだときから、変わった話だと思っていました。お母さんの証言内容の真偽はともかく、法律という観点で、単純に側溝に入る行為が犯罪に該当するかどうか、検討してみます。
一般常識に照らして考えてみると、単に隠れているだけだから犯罪にならないようにも思えます。それが普通の考え方でしょう。しかしながら、意外な法律の条文に該当する可能性があります。軽犯罪法に抵触する可能性があるのです。
具体的には、同法1条25号にこんな規定があります。「川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者」に犯罪が成立することになります。側溝ということで水が流れることを想定していて、その流れを妨げるといえる可能性があるからです。
とはいえ、上記の犯罪が本当に成立するかどうかは悩ましいところですので、ただ単に側溝に入っただけで事件になることはほとんどないでしょう。
趣味趣向はともかく他人に迷惑を掛けてはいけない。これが当然のことです。昔から趣味だったというのは言い訳にならないでしょうね」
西口弁護士はこのように話していた。