「困っている人にすぐ手を差し伸べ、助けられる人間でありたい」刑事事件に注力し、機動的な弁護を実践
弁護士を目指したきっかけは、学生時代の賃貸トラブル
――弁護士になろうと思ったきっかけは何ですか。
大学生の時に敷金をめぐるトラブルに遭ったことがきっかけです。住んでいた賃貸物件から退去するとき、大家さんかがよくわからない理由を並べて「敷金は返せない」と主張してきたんです。当時の私にとっては大きいお金だったので、必死に法律を調べて、敷金は返還しなければならないと反論しました。
結果的に敷金は戻ってきたのですが、このトラブルをきっかけに、世の中を生きていく上で、法律のルールや、法律で認められた権利を知っているかどうかはとても大事なことだと思うようになりました。法学部生だったこともあり、「本格的に法律を勉強して、弁護士になって誰かの役に立ちたい」と考え、弁護士を目指すことを決意しました。
――どんな学生時代でしたか。
親から仕送りはもらっていたのですが、潤沢にお金があるわけではなかったので、学生時代はいろいろなアルバイトをしていました。家庭教師や引っ越し業者、競馬場内の飲食店、工場でのライン作業、お菓子工場、喫茶店、写真屋など、バラエティ豊かな仕事を経験しました。ロースクールに進学してからは、ほぼ勉強に集中する生活でしたね。
不起訴に持ち込めたけれど、複雑な思いが残った担当事件
――注力されている分野と、その理由を教えてください。
刑事事件です。国選事件も私選事件もそれなりに経験を積んできたので、今後は受任件数をもっと増やして、より深く携わりたいと考えています。
事件の大小はありますが、刑事事件はすべて緊急性が高いと思っています。当事者は「今後どうなるんだろう」と心配していることが多いので、弁護士として少しでも手助けできればと考えています。
また、刑事事件は動きがとてもダイナミックです。弁護士は、依頼を受けたらすぐに現場や拘置所に飛んでいくことが必要で、とにかく動き回らなければならない。裁判が始まれば、裁判官からの質問に即座に答えなければなりません。そういう躍動感があるところに、非常にやりがいを感じます。
――これまで担当した事件のなかで、印象に残っているエピソードはありますか。
以前事件を担当した元依頼者から、「知り合いが警察に囲まれている」と、突然連絡がきたことがあります。すぐに現場に向かったところ、その知り合いという方が大勢の警察官に包囲されていて、数人の警察官に上から押さえつけられていました。逮捕状がまだ出ていなかったにもかかわらずです。
実際のところ、その方は罪を犯していたようで、警察は証拠も押さえていました。弁護人になった私は、「逮捕状が出ていないのに、大勢の警察官が取り囲んで押さえつけるのは違法捜査だ。違法捜査により押収された証拠は無効だ」と主張しました。その主張が通って、依頼者は起訴されなかったんです。
私としては「依頼者が起訴され、有罪判決を受けるけど罪は減軽される」という形が理想でした。本音では、罪を犯した依頼者にきちんと償ってほしかったのです。警察に対しても、「適法な手続きを踏んでいたら立件できたのに」と思いました。複雑な感情を覚えた事件として、今でも非常に印象に残っています。
――プライベートについても伺います。休日はどのように過ごしていますか。
休みの日は、基本的に家でゴロゴロしています。ちょっと手の込んだ料理を作ることもあります。最近作ったのはスパイスカレー。行きつけのお店で売っていたスパイスカレーキットを使ったのですが、いろいろ細かい作業が必要で、完成まで何時間もかかりました。お店の人の苦労がよく分かりましたね。それ以来、お店でカレーを食べるときは、これまでよりもさらに感謝の気持ちをもって味わうようになりました。
夫婦共通の趣味である釣りにも、ときどき行きます。魚がかかるのを待っている間の、ぼーっとできる時間が貴重なんです。
依頼者の話をじっくり聞くことがモットー
――今後の展望について、お聞かせください。
結構前から、すぐ釣りに行けるような田舎に移住して仕事をしたいなと考えています。そういう地域には弁護士があまりいないと思うので、地元の方からのちょっとした相談に対応できればいいなと思っています。Zoomを使えば遠方の方ともスムーズにやりとりできて、既存のクライアントとのコミュニケーションにも困らないと思うので。先の話ですけれど、展望としてはそんなふうに考えています。
――法律トラブルを抱えて悩んでいらっしゃる方に、メッセージをお願いします。
私の長所は、人の話をじっくり聞けるところだと考えています。法律相談では、時間を十分にとって、どんな話でも途中で腰を折らず耳を傾けるようにしています。困ったことが起きたら、「とりあえず相談に行ってみよう」と気軽な気持ちで来ていただけたら、ありがたいですね。