裁判官から弁護士へ~積み重ねた30年の知識と経験を、今目の前にいる依頼者のために
依頼者からダイレクトに感謝されることに喜びを感じる
ーー弁護士になるまでの経緯を教えてください。
私は2021年まで約30年間にわたり、大阪を中心に全国各地の家庭裁判所や地方裁判所、高等裁判所で裁判官を務め、定年退官を経て弁護士になりました。交通事故や離婚、相続、後見などの家事事件、刑事事件や少年事件など、多岐にわたる事件を担当し、裁判官としての責務を果たしてきました。
定年を前に次の人生を考えたとき、これまでの経験を最大限に活かせる職業として思い浮かんだのが弁護士でした。弁護士としてはゼロからのスタートとなるため、不安や迷いはありましたが、これまで培ってきた知識や経験を活かせる仕事に挑戦しようと思い、新たな道に進むことを決断しました。
裁判官から弁護士になり、目の前にいる依頼者から直接、感謝や喜びの声をいただけることにやりがいを感じています。裁判官時代は公正さを求められていたので、双方の当事者にとっての公平性や中立さを常に意識する必要がありました。弁護士となった今、最優先すべきは依頼者であり、依頼者の利益のために日々全力で取り組んでいます。
ーー裁判官時代の経験はどのように活かされていますか。
裁判官として多くの事件を担当してきたので、裁判官としての知識や経験を総動員して適切な解決方法を提案できると考えています。特に、裁判官の視点から事件を見ることができるため、調停や裁判になった場合、裁判官がどのような評価や判断をするのか、見通しを立てやすいと思います。その見通しに基づいて主張の立証方法を検討したり、結論を予想したりできる点も強みだと自負しています。
また、事件を担当するだけでなく、シニアカウンセルという立場で他の弁護士に対するアドバイザーとしての役割も担っています。当事務所は東京や大阪をはじめ、全国の主要都市8か所に事務所を設け、男女合わせて約30名の弁護士が在籍しており、各地の弁護士に事件解決のためのアドバイスをしています。法改正や注目の判決などについて、マスコミから法的な意見を求められる機会もありますね。
丁寧に話を聞き、気持ちに寄り添った解決を
ーーどのような案件を手がけていますか。
裁判官時代から幅広い分野にかかわってきましたが、弁護士となった今も様々な案件に取り組んでいます。具体的には浮気・不倫の慰謝料請求や離婚・男女トラブル、借金問題の債務整理、交通事故、労働トラブル、相続、刑事弁護など多岐にわたります。個人からのご依頼だけでなく、企業法務も多くの案件を取り扱っています。
家庭裁判所で長く家事事件を担当した経験があるので、離婚問題は注力分野の一つです。夫婦が離婚するうえで、どのように財産を分けるかを決める財産分与はもちろん重要ですが、子どもがいる夫婦であれば、親権や面会交流の調整が非常に大切だと考えています。
家庭裁判所では少年事件も取り扱うのですが、子どもが非行に至った背景に、生い立ちや家庭環境が影響していたケースが少なくありませんでした。子どもがいる夫婦の離婚問題を担当するときは、離婚後の子どもの生活にも配慮しながら取り組むようにしています。
ーー仕事をする上で、大切にしていることはどんなことですか。
話を丁寧に聞くことです。依頼をお受けするうえで必要なことだけを聞くのではなく、トラブルが発生するまでの経緯や、依頼者の今の心情、どのような解決を望んでいるかといったことをじっくりと伺っています。
たとえば、離婚に向けて話し合っている夫婦でも、いきなり離婚したいと思ったわけではないでしょう。そこに至るまでにどのような紆余曲折があったのか、これまでの経緯を辿って状況を整理することで、問題を解決するために最善の方法をご提案できるのです。
依頼者が何気なく話したことが問題解決のカギになることもありますし、事件の内容を詳しく把握するほど解決方法のイメージが湧いてくるので、丁寧な聞き取りは何よりも重視しています。
ーー弁護士になってから、印象に残っている案件はありますか?
弁護士になって最初に担当した案件が感慨深く、記憶に残っていますね。不貞行為の慰謝料を請求された事件でしたが、すべてが初めてで手探りの状態でした。解決に至るまでには大変なこともありましたが、依頼者から「丁寧に話を聞いてもらえて嬉しかった。結果にも満足しています」と言葉をかけていただき、胸がいっぱいになりました。
柔軟な解決策を提示し、依頼者のために尽力する
ーー今後の展望をお聞かせください。
弁護士には定年がありません。体力と気力の続く限り、自分の経験や知識を活かせるこの仕事にまい進したいと思っています。まだ経験したことのない分野もあるので、幅広い案件に取り組んでいきたいです。
裁判官は調停や裁判にまで発展した事件に対応するため、日々、発生している数多くの法律問題のうち、裁判官が取り扱うのは一部にとどまります。裁判官から弁護士になり、裁判や調停に至る前の交渉段階で、弁護士が柔軟な方法により多くの事件を解決に導いていると改めて実感しました。裁判官としての知識や経験を活かしながら、弁護士としての引き出しを増やし、柔軟な解決方法を提示していけるよう努力を続けていきます。
ーー法律トラブルを抱えている方へ、メッセージをお願いいたします。
お一人で問題を抱えて悩んでいる方は、どうか専門家である弁護士にご相談ください。弁護士や法律事務所に敷居の高さを感じている方もいるかもしれませんが、ご相談だけでも全くかまいませんので、気軽にお問合せいただきたいです。
弁護士は依頼者の味方となり、その人のために全力を尽くします。弁護士との相性もあるでしょうから、まずはお気軽にご相談に来ていただき、安心して依頼できる弁護士かどうかをじっくりと考えていただければと思います。ご依頼いただいた際には、問題解決に向けて誠心誠意、力を尽くしますので、どうぞ安心してお任せください。