
長田 知恵 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私が初めて弁護士になろうと思ったのは、小学生のころに見たドラマでした。そのドラマに出てきた女性の弁護士が、たとえ依頼者の味方が自分一人になろうとも、依頼者のため諦めずに最後まで闘い続け、依頼者が最終的には幸せを掴んでいくのを見て、弁護士の役割に、頼もしさややりがいといったイメージを感じ、憧れたからです。
その後、京都大学法学部に進学し、様々な活躍をする弁護士の仕事を知るようになり、私のような女性でも、弁護士であれば、自分の努力次第で、性別や国籍に関わりなく、社会で活躍できる可能性も感じたからです。
弁護士としての信条・ポリシー
第一に、1つの事件には、依頼者はもちろんのこと、その他にも、様々な立場の方々が複数関与しています。そのため、事件のベストかつ適正な解決のため、決して労を惜しまず、依頼者に同行して関係各所に直接話をしに行ったりするなど、綿密で正確なコミュニケーションを取り、様々な視点を持てるよう心掛けております。
また、依頼者の方や関係者の方々が話し掛けやすいように、常に傾聴する姿勢を分かってもらえるようにしております。私よりも人生経験な豊富な依頼者の方々や関係者の方々が多いですから、むしろ私の方が依頼者の方や関係者の方々からお教え頂くといった意識や姿勢を持っております。
さらに、依頼者や関係者の方々の方に、事件の解決の過程を十分に理解してもらえるように、法的な根拠に基づきつつも、丁寧で納得していただける説明を根気強くするようにしております。時折世間話のような会話になることもありますが、そういった話の中にも事件の特性の理解を深めてくれ、ベストかつ適正な解決に通じる手掛かりが隠れていることもあるからです。専門用語で報告して事足れりとはしないようにしております。
第二に、訴訟の勝敗のみに拘ることなく、事件の筋に見合ったベストかつ適正な解決を得ることを目標にしております。そのために、事件の筋の見通しを立てる過程で、依頼者の方が持っている希望が実現できそうにない場合には、そのことを、依頼者の方にダイレクトに伝えた上で、依頼者の方ともよく相談して、ベストかつ適正な解決を選択できるようにします。そして、最初の見立てには決して固執せず、柔軟に対応するよう心掛けております。
第三に、弁護士目線で見ると様々な事件の中の一事件であったとしても、依頼者の方にとってはその事件が一つの事件であるということを、常に忘れないよう心掛けております。
最後に、依頼者と常に並走して、依頼者の痛みをともに感じ、ともに悩み、最後まで諦めないことで、一度獲得した依頼者の信用を損なわず事件を解決し、ひいては将来的に依頼者の方が事件解決後に真に幸福になれるところまでを思い描いて事件解決に臨むよう心掛けております。
ただし、弁護士が依頼者の方と同一化しては適正な解決を得られない場合もあります。そういった場合には、依頼者の立場から一歩引いた姿勢でアドバイスをして、ベストでかつ適正な解決に導けるよう心掛けております。
関心のある分野
私は、国際的な家事事件、ペットに関連する法律問題、音楽・文学・絵画といった芸術を守るための法律、所謂マイノリティーの法律問題、及び女性がトップを務めるような企業を応援できるような法律家としての活動、事件に応じた公平な損害賠償額の算定、受刑者の更生、及び産業廃棄物の処理等に関心があります。
それにとどまらず、今後は、依頼者の方から相談を受けた分野を扱う中で、関心分野も広がるでしょう。
弁護士を目指す上で必要不可欠なもの
まずは、コミュニケーション能力です。コミュニケーション能力は、仕事の経験がある人などは、上司など目上の方と接する機会があったと思うので、有利だと思います。学生の方でしたら、目上の方と話す機会を作るといいのではないでしょうか。
次に、書面作成能力です。司法試験の勉強をしていく中で培われると思います。
そして、弁護士は人と接する仕事ですから、人格的に魅力的な人であることも必要だと思います。
さらに、弁護士になってからは、様々な立場・背景の依頼者の方と接するようになります。ですから、自分の基準だけで物事を考えないことも大事です。受かってからでも間に合いますが、視野を広げることが大事です。法学部生としての活動だけではなく、あらゆる活動をすると良いのではないでしょうか。
司法試験時の思い出
色んな人に助けてもらいました。特に家族は最後まで応援してくれましたし、弁護士になった今でも応援してくれています。
受験時代にモチベーションが下がったときにしていたこと
継続は力なりと普段から考えているので、モチベーションに関わらず、勉強をし続けました。
ページを見ている方へのメッセージ
弁護士に限らず法律家は、法律の形式的な文言だけではなく、生きて動いている現実や人間を対象とする仕事です。ですから、日々、人間に対する理解を深めるよう心掛けたいところです。
また、法律家の言葉の選び方一つで依頼者の方に大きな痛みを与えることがあること、関係者の方の信頼を失うこともあることを、決して忘れないような細やかな心配りができるよう心掛けたいです。