
早い段階で的確な見通しを立て、事件の進捗をこまめに共有〜依頼者が安心できる体制作りがモットー
検察官から弁護士に転身
ーー検察官からキャリアをスタートされています。法曹を目指した理由をお聞かせください。
もっと挑戦する仕事をしてみたい、法律を武器に戦いたい、という素朴な動機だったと思います。
法学部に入った当初は、司法試験を受けることに対してそれほど強い気持ちはなかったのですが、法律を学んでいく中で法曹への憧れが募り、司法試験にチャレンジしたいと思うようになりました。
合格後は司法修習を経て、社会正義を実現したいという思いから検察官になりました。
ーー弁護士に転身したきっかけは何だったのですか。
検察官はとてもやりがいがありましたが、仕事をする中で、「このまま組織に属して働くことが私の人生なのか。1人で戦っていく道もあるのではないか」と考えるようになったんです。
当時はまだ若く、「新しいことに挑戦するなら今のうちだ」という思いにも後押しされ、組織を出て弁護士として独立して生きていく人生を選び取りました。弁護士に転身してすぐに、自分の事務所を立ち上げました。
こまめな情報共有で依頼者に安心感を
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
民事事件を中心に多様な事件に対応しています。特に分野は絞らず、ご相談があれば基本的にどのような案件も受けるようにしています。
件数は多くありませんが、刑事事件も手がけています。検察官の経験を活かせますし、非常にやりがいを感じる分野でもあります。
ーー仕事をするときに心がけていることはありますか。
相談を受けたら早い段階で見通しを立てて、依頼者が希望するゴールに到達するためのプロセスを伝えることです。まずは、事件解決までの道のりを安心して進んでいくための体制を作ることを心がけています。
事件の進捗状況をこまめに報告することも大事です。動きがあればすぐに伝えて、依頼者が、自分の事件が今どのような状況かを常に把握できるようにしています。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
ある刑事事件が印象に残っています。父親が息子を殺して、息子にかけていた保険金1億4000万円を騙し取ったという事件でした。
私が弁護したのは息子の殺害を手伝ったという女性で、国選弁護人として受けました。女性には多額の借金があり、殺人を手伝えば保険金をいくらでもやる、という言葉に乗せられて、呼びかけに応じてしまったんですね。13年の求刑に対して、判決では懲役9年が言い渡されました。とても痛ましい事件で、記憶に残っています。
「解決に向けて、一緒に頑張りましょう」
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
ゴルフが好きで、毎週末欠かさずプレーしています。弁護士になって5、6年目に始めて、それからずっと続けています。上手くはないのですが、プレーすることがただただ楽しいんです。
ーー今後の展望をお聞かせください。
一番大切なことは、依頼者を大事にすること。今後も、依頼者の悩みを聞いて、アドバイスをし、問題を解決するための力になりたいと思っています。
生涯現役でいられるかはわかりませんが、仕事があるのは若さを保つ秘訣ですね。依頼者と接することで、かえって私の方が元気をもらっています。
ーー最後に、トラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
悩みがあれば、まずはご相談ください。
以前は、弁護士に対して敷居の高さを感じる人が多かったようですが、今は自然に法律事務所を訪ねてくる人が増えたと思います。トラブルが起きたときの相談先として、選択肢に入れてもらえているならありがたいですね。
どんな相談でもかまいませんので、気軽に話をしに来てください。悩みの解決に向けて、一緒に頑張りましょう。