向川 純平 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
一番ベースにあるのは、皆が幸せになるように暮らしていける世の中になるような社会に貢献する仕事に就きたいということでした。法学部を選択したのもそういった思いがあったからです。大学で社会福祉政策を学んでいたので、最初は行政官庁への進路も考えていましたが、もっと個々の人たちの権利を守りたいと考えるようになり、大学4年の頃、弁護士を目指すことに決めました。
また、家族に介護が必要なものがおり、その苦労や、周りからの偏見があることに触れて、そういった状況にある人が社会においてその人らしく生きることが如何に難しいか実感し、権利擁護の大切さを身をもって知ったことも、きっかけの一つです。
印象に残っている案件と、現在の仕事状況
地域のなかで市民の方々に起こる様々な民事事件を広く扱っています。事件の「顔」に同じものはなく、どれも印象深いのですが、仕事上のミスとも呼べないようなことや、労働組合の活動をしていることを理由に、不当ないじめや処分を受け、ついには解雇されてしまった方の労働事件が特に印象に残っています。
裁判所に地位確認の申立てを行い、地域の方々や数多くの労働組合の支援も経て結果としては復職の和解を勝ち取ることができました。
仕事をする上で意識していること
やはり、公平や条理に適ったルールでものごとが解決され、依頼者の利益につながるような仕事を目指しています。法律を扱う仕事ですから、可哀想だと感じても、助けるのが難しい場合はあります。しかし、形式的に法律を解釈して「はい、あなたは裁判に負けます」というような弁護士ではありたくない。
この人を助けたい、という気持ちを大切に、法律だけに捉われず、できることを模索するよう心掛けています。
また、「財力、腕力、権力」などの力で作られた「ルール(それはときに現行法であったりもする)」に抑え込まれた弱者がいるならば、その「ルール」におもねるような弁護士ではありたくない。一見形式上正しいように見えても、冷静に考えれば不正・不平等が行われているケースは数多くあります。
関心のある分野
① 障がい者の権利に関する問題。日本では障がい者は従前保護されるべき対象であって、社会に適応できない者として更生させる対象でした。しかし、本来障がいを持っていようともすべての人が等しく権利を有していなければならない。そのためには、社会の側に障害があると捉えて、これを除去していかなければなりません。
私は、主として障がいを有する労働者に対する差別問題に取り組んでいます。まだまだ課題の多い分野ではありますが、障がい者基本法、障がい者虐待防止法の施行、今後制定されるであろう障がい者差別禁止法など徐々に法整備も進んでいます。
② 原発賠償問題。これは弁護士1年目に3.11があったことから取り組むことになりました。現地に足を運び、人々のふるさとの崩壊、という現状を目の当たりにし、今では従来の損害賠償論の通説に挑戦しています。被害者の方々の現状はいまだ過酷な状況にあり、賠償や原状回復の内容が十分なものになるよう、頑張っていきたいと思います。
ページを見ている方へのメッセージ
市民の方々にとっては、やはり弁護士事務所というのは敷居の高い場所であるのかも知れません。しかし、相談していいのだろうか、と悩まれている間に事態がややこしくなる場合が多いですから、困ったらまずは気軽に相談をしていただければ、と思っています。初回の相談だけで済む場合もありますし、必ず気も楽になるはずです。