飯田 学史 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
元々、人と深く関わる仕事がしたいと思い、大学2年の時に法律の勉強を始め、最初は法律専門学校の教師になりました。先生という職業は生徒と密接に関わることができます。しかし、もっと法律を通していろいろな人と向き合いたいと思い、31歳の時にロースクールに入り、弁護士になることを決めました。
仕事の中で嬉しかったこと
お金をもらう時に「ありがとう」と言われる仕事は中々ないと思います。(普通はお金を払ったお客さんが店員にありがとうと言われますよね?)その時に、やはり弁護士は大変だけれどもやりがいがあるなぁと感じます。
弁護士になって感じたギャップ
自由業のイメージがあったが、実際は毎日たくさんの事件を抱えているので忙しいことがわかりました。だから、細かな時間の管理が大変です。
仕事で意識していること
勉強するということです。当たり前ですが、経験に溺れることなく、日々努力したいと思っています。今は、材料力学について勉強しています。最近の案件に関わる分野なのですが、体系的な知識がないので、専門家に話を聞いたり読書をしたりすることによって知識を増やしています。
弁護士は文系の職業ですが、理系の知識が必要になる場面も多々あるので幅広い知識が必要です。
関心のある分野
案件の約3分の1は、外国に繋がる市民(例:日本国籍を有しているけれども外国に繋がる人たち)の仕事です。この分野は司法試験に出ないし、とっつきにくい分野なので扱う人が少ないですが、実際に困っている人も多いですし、法律家の力を求めている人たちが沢山います。
「弁護士の過疎」という言葉を聞いたことがあると思うのですが、実は弁護士の過疎は、地域的な過疎だけではなく、当該分野を扱っている弁護士が少ないという「分野的過疎」も存在します。こういった分野も積極的に取り扱い、弁護士業の裾野を広げ、本当に司法を必要とした人にサービスを提供できるように努力したいです。
今後の弁護士業界の動向
依頼者が弁護士を選ぶ時代になりました。良い意味での競争をして、より良いリーガルサービスを切磋琢磨して提供できるようになればよいなと思います。
今後のビジョン
これからも最も弱き人のために仕事をしていきたいです。
司法試験の勉強法
休みを作らないことです。「1日休んだら3日遅れる」という言葉は本当です。体調が悪かったとしても、1問でいいから毎日コツコツ解きましょう。ロースクールに入っている人の同世代は大体、働いています。だから、司法試験の勉強は仕事だと思って結果がでるよう頑張るべきです。
ロースクールの印象
私は、社会人をやめてロースクールに入りました。仕事のほうが大変なので、ロースクールは楽しかった印象が大きいです。
神奈川大学のロースクールは、勉強を頑張ると奨学金等がもらえる制度があったのでお金を気にせず、勉強できました。この制度は、社会人を辞めてロースクールに来た方が収入がなくなることをある程度気にしなくて済むので良い制度だと思います。
司法修習の思い出
司法修習のバッジは法曹の中で最強のバッチです。なぜなら、このバッジをしていれば裁判所も検察庁も弁護士会もある程度自由に出入りすることができます。裁判官や検察官、弁護士と自由に話を聞くこともできますし、何でも答えてもらうことができます。だから、この時に貪欲に多くのことを聞き、今後の実務家になったときに活かせるようにしましょう。
印象に残っている案件は何ですか?
在留資格(ビザと呼ばれているもの)のない人の、ビザを求める在留特別許可の仕事をした時に、大の大人が飛び上がって泣いて喜んでいたのでとても印象的でした。今まで在留資格がないからずっと不安だったのでしょう。
在留特別許可のケースでは訴訟になるとなかなか結果を出すことができないのです。マクリーン判決という昭和の時代の判決があるのですが、ここで述べられている「法務大臣の広範な裁量」というマジックワードをどう克服するかが今後の課題だと思います。
そのためには、憲法や国際法の研究者に頑張って研究をしてもらうことはもちろん、多くの弁護士がこの分野に関心をもって、沢山の事件を扱っていくことが不可欠だと思っています。