「今後はLGBTの相談にも力をいれたい」離婚問題のエキスパートとして幅広い案件に対応
母からの意外な一言で弁護士に
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
きっかけは、「勘違い」です(笑)。高校生の時に母親と口論になり、「屁理屈ばかり言うなら、弁護士にでもなりなさい!」って言われたんです。弁護士のことを知りもせず、母のその一言で、「私は弁護士になるんだ」って思ってしまったんです。
大学は法学部に進学して、そこでもまた勘違いがありました。大学生協にあった司法試験の過去問題集を見た時に、簡単に思えたんです。「これなら私でも受かるんじゃないか」という、二度目の勘違いがあり、弁護士を目指すことにしました。
実際には、司法試験を合格するまでに時間がかかりました。ですが、法律の勉強をしていく中で、個人では解決できない問題で悩んでいる人の助けになりたいという気持ちが強くなり、諦めずに挑戦し続けて、弁護士になることができました。
――どんな学生生活でしたか?
本をよく読んでいました。当時は色々と考えることもあって政治思想的な本を読むことが多かったです。他にも、小説やエッセイなど、年間で100冊以上は読んでいました。
子どもの頃は漫画ばかり、しかも少年漫画ばかり読んでいました。大学に入学した頃から活字の本も好きになり、今でも読書が仕事の息抜きになっています。ナンシー関や中野翠のコラム、小説ならミステリー小説、特に湊かなえや中山七里が好きですね。
離婚問題に注力、依頼者の気持ちに寄り添い解決を目指す
――注力している分野と、注力している理由についてお聞かせください。
最初に入った事務所が地方の小さな事務所だったので、いろいろな依頼を受けていたのですが、その中で離婚事件への関心が強くなり、今は離婚事件に注力しています。
デリケートな問題が含まれるので、依頼者の気持ちに配慮して話を聞かなければなりません。しっかりと話を聞き、依頼者の気持ちに沿った解決ができた時、喜びを感じます。
――先生が弁護士を始めた頃と比べて、離婚事件に変化はありますか?
以前よりも男性の依頼者が増えましたが、事件の性質に変化はないと思います。それよりも、相談内容について事前にインターネットで調べてから相談に来る方が増えましたね。「私の場合はこれくらい慰謝料がもらえるはずだ」「財産分与をいくら請求できますよね?」と、自分で調べた情報を話される方がいます。
「養育費算定表」のような、裁判所で公開している資料を見て話をされる分にはいいのですが、中には誤った情報を信じてしまったり、自分に都合の良い解釈をしてしまったりする方もいらっしゃいます。そういう方には正しい情報を伝えるのですが、なかなか理解してもらえない事もありますね。
――離婚問題では金銭面など女性が弱い立場に置かれるイメージがあります。
そういうケースばかりではないですよ。
たとえば、妻の不倫が原因で離婚を考えている夫から、別居中の妻に高額の生活費(婚姻費用)を請求されて困っているという相談を受けることもあります。
不倫やDVなど離婚の原因を作った配偶者のことを「有責配偶者」といいます。有責配偶者は、自分から裁判で離婚を請求したり、慰謝料を求めたりすることは原則として認められていません。
しかし、別居中の婚姻費用については、有責配偶者の請求を認める裁判所の判断もありうるんですね。ただ、過去に高等裁判所で有責配偶者からの婚姻費用の請求については、養育費部分を除いて認められない、という決定が出たこともあって、夫側の代理人となった場合にはそのような主張をするんです。
最終的には、こちら側の反論が認められて、子どもの養育費部分だけ支払うということで決着できました。依頼者からはとても喜ばれましたね。
――依頼者の方と接するときに心掛けていることを教えてください。
話をよく聞くことですね。まずはお話を聞いて、その上で依頼者の考えや希望を伺い、一緒に解決方法を考えるようにしています。中には誰にも相談できない状況で依頼に来られる方もいます。法律的な解決方法よりも先に、誰かに話を聞いてほしいという気持ちが強い場合もあるので、時間をかけてゆっくり話を聞くようにしています。
ネットで解決策調べるより、まず弁護士に相談を
――休日はどのように過ごしていますか?
釣りが趣味です。最初は防波堤でできる簡単な釣りをしていたのですが、大きな魚が釣りたくなり、今は船に乗って海釣りをしています。釣れるまでのワクワク感や針にかかった時の手応え、釣り上げるまでの緊張感などが楽しいです。釣れた魚を美味しくいただくのも好きです(笑)。
――今後の展望についてお聞かせください。
LGBTの方の事件も取り扱いたいと思っています。これまでにも2〜3件扱ったことがあるのですが、パートナーシップ制度を導入する自治体が増えていますし、異性間だけでなく、同性間のトラブルも増えてくることが予想されます。そうした問題にも対応していくつもりです。
――法律トラブルを抱えていて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
インターネットなどで調べるのもいいのですが、一人で悩みを抱え込むより、早期に専門家に相談をして意見を聞く方が早く解決できますし、気持ちの面でも安心できると思います。