刑事事件・少年事件に注力〜法教育やスクールロイヤーの活動を通じ、教育現場と法律の架け橋に
法律家として教育現場を支えたい
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
私はもともと教師を目指していて、法律家になろうとは思っていませんでした。意識が変わるきっかけになったのは、大学時代に経験した中学校での教育実習です。
実際の教育現場を目の当たりにし、生徒・保護者・教師のそれぞれが問題を抱えていること、そして、非行など、学校だけで対処しきれない様々な問題があることを知りました。
問題解決のためには、社会全体で学校と子どもたちを支えていく必要があり、そのための1つの方法として、法的な観点から支援することが重要ではないかと思い至ったんです。
ちょうど大学4年生のときに法科大学院が創設されたこともあり、法律家として法的な側面から学校や子どもたちを支える力になりたいと思い、進路を変更して法科大学院へ進学することにしました。
少年事件に注力 スクールロイヤーとしても活動
ーー注力分野を教えてください。
刑事事件を多く担当しています。なかでも、弁護士登録をして以来一貫して取り組んでいるのは少年の非行問題です。少年たちの更生や立ち直り支援に特に力を入れています。
多くの少年事件では、少年が周囲の大人や友人など、自分を取りまく環境に影響されて罪を犯してしまうという側面がとても強いといえます。ただ、周りの影響を受けやすい時期だけに、こちらの接し方次第では良い方向にも変わりやすいという特徴があります。少年一人一人の事情を踏まえて、どのようなアプローチが適切か見極めながら事件に取り組んでいます。
ーー少年事件を手がけるときに、どのようなことを大切にしていますか?
迅速かつ頻繁に、少年と面会することです。
少年が事件を起こすと、手続には様々な大人が関わります。少年は警察署や検察庁で警察官や検察官から取り調べを受け、裁判所で裁判官や調査官から質問を受けます。
少年の責任を追求する立場の大人が多いなかで、少年の味方という立場で関わることができるのが弁護士です。少年との面会や、学校・家庭などの環境調整、調査官や裁判官に様々な主張をするといった活動を通して、立ち直りをサポートしています。
少年自身が、「自分をサポートしてくれる大人がそばにいる」と思えることが立ち直るための大きな力になるので、面会に行く早さと回数はとても重要だと思っています。
ーースクールロイヤーの活動もおこなっていると伺いました。
はい。これは、いじめや虐待などの問題に対し、法律家の立場から、学校や教育委員会に助言をする取り組みです。教職員からの法律相談だけでなく,学校でのいじめ予防授業や教職員向けの研修など、さまざまな角度から活動しています。
法教育にも力を入れています。子どもたちに、憲法で保障されている人権の価値や法的なものの考え方などを伝えるために、学校の先生と協力して、法教育の授業や研究会の開催、教材の研究などをおこなっています。
ーー先生ご自身が思う先生の強みとは?
刑事事件を数多く扱ってきた実績と、教育現場とのつながりを持って活動してきた点です。
少年事件に取り組むにあたって、教育現場で得た知見が役立つこともありますし、逆に、事件弁護で経験したことが教育現場に活かせることもあります。
「法曹界と教育界の架け橋」という役割を担えることが、私の強みだと思います。
ーープライベートについても伺います。趣味や休暇の過ごし方を教えてください。
自称、「法曹界イチのセミ博士」です。小学生のときにセミの研究をして以来、その魅力に取り憑かれました。
セミというと関東地方で一般的に知られているのは5〜6種類ぐらいだと思いますが、実は、日本にはもっと様々な種類のセミがいます。姿形や鳴き声も種類によってまったく違います。
たとえば、沖縄地方に生息するオオシマゼミは、エメラルドグリーンの体色で、とても綺麗な声で鳴きます。知らずに聞いたら、セミが鳴いているとは思えないほど不思議な鳴き声なんです。
セミ捕り以外の趣味は、城巡りとスキューバダイビングです。
歴史はあまり詳しくないのですが、建物としての城に興味があり、学生時代から日本中の城を巡っています。
スキューバダイビングは、沖縄の海に潜るのが好きです。沖縄にはセミがたくさん生息しているため、セミの研究とセットで楽しんでいます。フィールドワークでセミを追いかけ、海に潜ってダイビングをする。最高の休暇の過ごし方ですね。
必ず味方がいることを忘れないでほしい
ーー今後の展望を教えてください。
私の職場は、「法廷と教室」です。
目の前の一つひとつの案件に真摯に対応するとともに、法曹界と教育界の架け橋として、引き続き、法教育など学校現場での活動にも取り組んでいきたいと思います。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
トラブルを抱えて悩んでいる方は、「ひとりではない」「必ず味方がいる」ということを忘れないでほしいです。
社会には、あなたの自由や権利を守るために活動するさまざまな人がいます。弁護士もそのひとりです。弁護士は、法的な知識や経験に基づいてアドバイスをする立場であり、依頼者とともに解決を目指していくパートナーでもあります。
ひとりで悩んでいても、事態は好転しません。気軽に弁護士にアクセスし、相談していただければと思います。