客の「クレジットカード情報」をメモした店員逮捕、どんな犯罪なのか?
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客の「クレジットカード情報」をメモした店員逮捕、どんな犯罪なのか?

栃木県警生活環境課サイバー犯罪対策室と今市署は5月10日、客のクレジットカード番号を不正に取得したとして、衣料販売店員の男性を逮捕した。逮捕容疑は割賦販売法違反。

読売新聞によると、男性はレジを担当した際、客の目を盗んで番号や有効期限をメモしたという。取り調べに対して、「ネット決済に使いたかった」と動機を語っている。ただし、メモした情報を不正利用したかどうかは、逮捕した時点でははっきりと分かっていない。

発言が事実なら、悪意を持ってカード情報を取得したのは間違いなさそうだ。とはいえ、利用したかどうかが分かっていないのに、どういう理由で逮捕できるのだろうか。また、不正利用が発覚した場合、罪の重さはどのようになるのだろうか。消費者問題にくわしい大村真司弁護士に、割賦販売法について聞いた。

●メモだけでは不十分?

「割賦販売法は、分割払いやクレジット取引について定めた法律です。この中では、加盟店やその従業員(退職者を含む)が業務上知り得たクレジット番号などを、自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供、盗用することを禁止しています。

実際は、提供や盗用されたケースだけを罰したのでは不十分なので、(1)番号等が記載された書面や記録媒体を承諾なく複製した場合、(2)人を欺いたり、不正アクセスで番号等を取得した場合、(3)有償で提供する目的で番号等を保管した場合には、それだけで同様の罰則になります。

これらに違反すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります」

不正利用も発覚した場合、罰はどうなるのか。

「3年以下の懲役というのは、刑法の財産犯に比べ軽い罪です。割賦販売法違反になれば、より罰が重い刑法の犯罪にはならない、というのでは立法趣旨に反します。そのため、割賦販売法には『刑法その他の罰則の適用を妨げない』との明文規定が置かれています」

どういうことか。

「他人のクレジットカードの情報を冒用(不正利用)してネットショッピングをした場合、電子計算機使用詐欺罪に該当し、10年以下の懲役です。この場合、1つの行為が割賦販売法(盗用)、電子計算機使用詐欺の両方に該当しますので、2つの罰則が適用されます。ただし、罰則は『3年+10年=13年』以下とはならず、重い方(電子計算機使用詐欺)の10年以下の懲役と、割賦販売法のみ規定のある50万円の罰金ということになります。

今回、本人の供述は『客の目を盗んで番号をメモ書きした』ということで、有償提供目的ではありません。また、メモを取るのは『複製』にもならないと思われるので、報道内容だけでは『不正取得』とまで言えるか疑問な部分もあります。ただ、冒用も認めているのなら、結果的に割賦販売法違反の容疑にはなりそうです」

大村弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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