「日本銀行が生放送での発言で宮崎駿さんを提訴」
ポータルサイト「goo」に読売新聞オンライン(YOL)が配信したかのようにみえる記事に、ショッキングな見出しが踊る。これは、gooやYOLにまったく関係のない「偽ニュースサイト」だ。
こうした著名人やメディアの名前や写真、ロゴなどを勝手に使用した偽サイトを入り口とした「投資詐欺被害」が増えているという。
本物のように見えるサイトに衝撃的な内容や魅力的なコンテンツを掲載することで、サイトを見た人を信じ込ませる手口で、SNSを通じて広がっている。
読売新聞グループ本社広報部は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「偽サイトは当社とは一切、関係がなく、SNSの運営会社に対し、当社の著作権が侵害されていることを通報し、削除を求めています」と回答した。
⚫️偽ニュースサイトから暗号通貨の投資サイトへ誘導
問題の偽ニュースサイトの手口は巧妙だ。
あるニュース番組に生出演した映画監督の宮崎駿さんが投資方法を披露したため、日銀から放送を中止するよう電話が入ったという「スキャンダル」が書かれている。
あたかも宮崎さんが暗号通貨の投資について語ったかのように見せかけて、何度も特定のサイトの名前を挙げつつ読者を誘導するもので、投資詐欺が疑われる。
宮崎駿さんの写真を悪用した偽ニュースサイト(2023年12月28日現在)
この偽ニュースサイトは、エックス(旧ツイッター)の広告投稿でも広がっており、ユーザーや宮崎さんのファンからは、「悪質過ぎる」「詐欺広告ですよね」といった声が上がっている。
また、別の著名人の名前を利用した同じ内容の偽ニュースサイトも広がっており、被害の拡大が懸念される。
「YOLのロゴや著名人の画像が使われた偽サイトが SNS 上などで複数見つかっていることは把握しており、詐欺被害や個人情報の流出を防ぐため、 YOLのトップページに偽サイトについて注意喚起する記事を掲載し、偽サイ ト上の広告をクリックしたり、個人情報を入力したりしないよう呼びかけています」(読売新聞グループ本社広報部)
⚫️投資に誘われたら相談を
警視庁は、暗号資産(仮想通貨)の投資詐欺被害の相談が多く寄せられていることから、海外投資サイトへの誘いがあった場合、相手の言うことを聞く前に相談窓口に相談するよう呼びかけている。主な相談窓口は以下の通り。
・都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/soudan.html
・金融庁・金融サービス利用者相談室
https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index.html
・消費者ホットライン
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/notice/efforts_001.html